妊産婦の食生活に関するオンラインツールを用いた介入の文献レビュー

【目的】新型コロナウイルス感染拡大の影響による行動制限が長引く昨今の状況に鑑み,非対面式で実施可能な,妊産婦の健康的な食生活を促すオンラインツールを用いた介入研究について文献を整理した。【方法】文献データベース(PubMed)上で公表された論文のうち,「妊婦,インターネット介入,食生活」により作成した検索式を用いて文献検索を行った。【結果】包含基準により文献の精査を行ったところ,最終的に4件を採択した。研究対象者は健康的な単胎妊婦や,妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の既往歴のある女性であった。アウトカム指標により介入時期が異なり,妊娠中の体重増加量過剰割合の減少を目的とした研究では妊娠初期・中期に...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 80; no. 3; pp. 210 - 217
Main Authors 新杉, 知沙, 瀧本, 秀美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.06.2022
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.80.210

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Summary:【目的】新型コロナウイルス感染拡大の影響による行動制限が長引く昨今の状況に鑑み,非対面式で実施可能な,妊産婦の健康的な食生活を促すオンラインツールを用いた介入研究について文献を整理した。【方法】文献データベース(PubMed)上で公表された論文のうち,「妊婦,インターネット介入,食生活」により作成した検索式を用いて文献検索を行った。【結果】包含基準により文献の精査を行ったところ,最終的に4件を採択した。研究対象者は健康的な単胎妊婦や,妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の既往歴のある女性であった。アウトカム指標により介入時期が異なり,妊娠中の体重増加量過剰割合の減少を目的とした研究では妊娠初期・中期に,産後の体重維持を目的とした研究では妊娠後期や産後に実施されていた。介入内容としては,健康的な生活習慣を促進することを目的とした個別のオンライン教育プログラム,公的機関等による情報提供,専門職からの食事指導,さらに参加者同士の交流が実施されていた。オンラインツールを用いた介入により,産後の体重減少,産後のウエスト周囲径の減少,健康な食事に対する自己効力感の向上がみられた。【結論】妊産婦を対象とした食生活に関するオンラインツールを用いた介入により母体転帰との関連が示唆された。一般向けにわかりやすく正確な情報が集約されたオンラインツールの拡充やそれらの効果検証を含めたさらなるエビデンスの蓄積が求められる。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.80.210