肝硬変を合併し, 肝肺症候群をきたしたサルコイドーシスの1例
症例は59歳, 女性. 2002年12月から軽度の労作時呼吸困難を訴え, 2003年6月初診時, 胸部X線写真でBHLと両側下肺野の網状影, 経気管支肺生検で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫, 気管支肺胞洗浄液CD4/CD8比高値, 血清ACE高値, ツベルクリン反応陰性を認め, サルコイドーシスと診断され, 肝機能障害も認めた. その後外来で無治療経過観察されていたが, 労作時呼吸困難は徐々に増悪し2006年6月受診時にSpO2 91%, PaO2 51Torrと低酸素血症を認め, 入院となった. 胸部CTで, 両側下肺野優位の網状影その他は初診時と著変なく, 腹部CTでは胃静脈瘤と肝硬変を認...
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Published in | NIHON SARUKOIDOSHISU / NIKUGESHUSHIKKAN (The Japanese journal of sarcoidosis and other granulomatous disorders ) Vol. 28; no. 1; pp. 75 - 79 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
2008
Japan Society of Sarcoidosis and other Granulomatous Disorders |
Subjects | |
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ISSN | 1345-0565 1884-6122 |
DOI | 10.14830/jssog1999.28.75 |
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Summary: | 症例は59歳, 女性. 2002年12月から軽度の労作時呼吸困難を訴え, 2003年6月初診時, 胸部X線写真でBHLと両側下肺野の網状影, 経気管支肺生検で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫, 気管支肺胞洗浄液CD4/CD8比高値, 血清ACE高値, ツベルクリン反応陰性を認め, サルコイドーシスと診断され, 肝機能障害も認めた. その後外来で無治療経過観察されていたが, 労作時呼吸困難は徐々に増悪し2006年6月受診時にSpO2 91%, PaO2 51Torrと低酸素血症を認め, 入院となった. 胸部CTで, 両側下肺野優位の網状影その他は初診時と著変なく, 腹部CTでは胃静脈瘤と肝硬変を認めた. 血液検査では, 肝機能障害を認めたが, ウイルス性肝炎は否定され, 原発性硬化性胆管炎, 原発性胆汁性肝硬変, 自己免疫性肝炎は血清学的に否定的であった. 原因精査のため肝生検施行し, 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, 肝硬変と肝サルコイドーシス病変の合併と診断した. また, 肺血流シンチにて肺外の集積を認め, その他明らかなシャントもないため, 肝サルコイドーシス病変を伴う肝硬変における, 肝肺症候群と診断した. |
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ISSN: | 1345-0565 1884-6122 |
DOI: | 10.14830/jssog1999.28.75 |