感染制御及び医療安全に貢献する薬剤師の必要性

1. はじめに 医療法改正に伴い, 医療機関においてはより医療安全体制の確保が厳しくなっている. そのために, 医療安全対策室では専従の薬剤師を配置する医療機関も増加し, 薬剤部門では日本医療機能評価機構による第三者評価を利用した充実も図られている. その上に, 日本病院薬剤師会では薬剤師の専門性を発揮した, がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師の擁立による医療安全への貢献が期待されている. さらに, 医療費抑制の観点から, 全国の医療機関にDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類別包括評価システム)が普及し, 薬剤師による医療費抑制に対する真価が問われ...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 127; no. 11; pp. 1789 - 1795
Main Author 片山, 歳也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.11.2007
日本薬学会
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Summary:1. はじめに 医療法改正に伴い, 医療機関においてはより医療安全体制の確保が厳しくなっている. そのために, 医療安全対策室では専従の薬剤師を配置する医療機関も増加し, 薬剤部門では日本医療機能評価機構による第三者評価を利用した充実も図られている. その上に, 日本病院薬剤師会では薬剤師の専門性を発揮した, がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師の擁立による医療安全への貢献が期待されている. さらに, 医療費抑制の観点から, 全国の医療機関にDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類別包括評価システム)が普及し, 薬剤師による医療費抑制に対する真価が問われている. 1) 一方で, 医療の質を低下させずに医療費削減を可能にするには, 医薬品適正使用の推進が必須であり, 抗菌薬適正において主に感染制御専門薬剤師が貢献することで, 医療安全が保障されるものと期待されている. 本邦では, 広域スペクトルの抗菌薬適正使用プログラム(使用制限や届出制)が普及してきており, 各医療機関で成果を出すためには, 運用管理システムを強化した評価体系の確立が望まれる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.1789