ボイスプロテーゼによる音声再建例の合併症とカンジダ感染の検討
2004年12月から2011年12月までの7年間に, 喉頭全摘術後の音声再建術に留置型プロテーゼ (グロニンゲンボイスボタン® またはプロボックス2®) を使用した26例を対象に 1) 交換間隔, 2) 合併症, 3) カンジダ感染, 4) 転帰について検討を行った. 観察期間は8.1から95.7カ月 (中央値28.8カ月) であった. 交換間隔の中央値は147日 (4.9カ月). 合併症はシャントからの漏れ6例, 肉芽形成5例, 気切孔狭窄5例の計14例 (54%) に認め, 6例 (23%) が入院を要した. 年齢 (<中央値=66, p=0.495), 照射歴の有無 (p=0.68...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 1; pp. 34 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
01.01.2014
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.117.34 |
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Summary: | 2004年12月から2011年12月までの7年間に, 喉頭全摘術後の音声再建術に留置型プロテーゼ (グロニンゲンボイスボタン® またはプロボックス2®) を使用した26例を対象に 1) 交換間隔, 2) 合併症, 3) カンジダ感染, 4) 転帰について検討を行った. 観察期間は8.1から95.7カ月 (中央値28.8カ月) であった. 交換間隔の中央値は147日 (4.9カ月). 合併症はシャントからの漏れ6例, 肉芽形成5例, 気切孔狭窄5例の計14例 (54%) に認め, 6例 (23%) が入院を要した. 年齢 (<中央値=66, p=0.495), 照射歴の有無 (p=0.686), 再建時期 (p=0.257) での患者背景因子における合併症の有無は, いずれも有意差を認めなかった. 培養検査にてカンジダを81%に認め, 照射歴の有無で検出率に有意差を認めた (p=0.004). また病理組織検査からそれらの病原性を示す仮性菌糸を確認した. 1例が漏れのためシャント閉鎖術を行ったが, その他いずれの合併症も対処可能であった. 現在まで重篤な合併症を認めず, 安全に使用できることが確認できた. 長期になるほど合併症は増加するとの報告もあり, 今後も慎重に経過をみていく必要があると考える. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.117.34 |