カテーテルアブレーション・心臓植込みデバイスの被ばく低減への努力

検査・治療の発展により,医療行為に伴う放射線被ばくは全世界において20年間で約6倍と大幅に増加しており,循環器領域も例外ではない。不整脈診療においても,各種の画像診断からカテーテルアブレーション治療,デバイス植込み手術に至るまで,被ばくを伴う検査治療は必須となっている。診療上必要な被ばくは正当化される一方,被ばくは可能な限り低減することが必要であり,その概念は“As Low As Reasonably Achievable(ALARA)の原則”として提唱されている。放射線が身体に与える短期的・長期的な影響を考慮すると,患者のみならず医療者にとっても,放射線防護を最適化することは,つねに意識する...

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Published in杏林医学会雑誌 Vol. 52; no. 2; pp. 101 - 106
Main Author 上田, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 28.06.2021
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Summary:検査・治療の発展により,医療行為に伴う放射線被ばくは全世界において20年間で約6倍と大幅に増加しており,循環器領域も例外ではない。不整脈診療においても,各種の画像診断からカテーテルアブレーション治療,デバイス植込み手術に至るまで,被ばくを伴う検査治療は必須となっている。診療上必要な被ばくは正当化される一方,被ばくは可能な限り低減することが必要であり,その概念は“As Low As Reasonably Achievable(ALARA)の原則”として提唱されている。放射線が身体に与える短期的・長期的な影響を考慮すると,患者のみならず医療者にとっても,放射線防護を最適化することは,つねに意識するべき重要な課題である。 不整脈診療におけるマッピングシステムやカテーテルナビゲーションシステムの使用は,難易度の高い患者に対する手技であっても低被ばくで施行することを可能にしてきた。また,被ばく低減の意識を医療者間で共有,強化することの重要性も明らかとなってきた。 当科ではこうした低被ばく不整脈診療について積極的に発信してきており,本項では当科の取り組みについて紹介したい。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.52.101