急激な心不全の進行をみた細菌性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全の1例

細菌性心内膜炎の活動期における大動脈弁閉鎖不全では, 心不全の進行が速く, 致死的心不全に発展することがある. 手術時期を逸し, 救命できなかつた1例を経験した. 症例は46才男性, 労作時の息切れと発熱を訴え来院した. 血液培養は陰性であつたが, 臨床症状と他の検査所見は細菌性心内膜炎を疑わせた. 超音波断層検査にて, 大動脈弁右冠尖に明瞭な疣贅の付着を認めたので手術の予定としたが, その前日になり突然心不全が進行し, 緊急手術を試みたが救命し得なかつた. 反省すべき点について文献的考察を加え報告した...

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Published in医療 Vol. 34; no. 12; pp. 1134 - 1137
Main Authors 宮沢, 総介, 山田, 学, 安西, 信行, 林辺, 喜人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1980
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.34.1134

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Summary:細菌性心内膜炎の活動期における大動脈弁閉鎖不全では, 心不全の進行が速く, 致死的心不全に発展することがある. 手術時期を逸し, 救命できなかつた1例を経験した. 症例は46才男性, 労作時の息切れと発熱を訴え来院した. 血液培養は陰性であつたが, 臨床症状と他の検査所見は細菌性心内膜炎を疑わせた. 超音波断層検査にて, 大動脈弁右冠尖に明瞭な疣贅の付着を認めたので手術の予定としたが, その前日になり突然心不全が進行し, 緊急手術を試みたが救命し得なかつた. 反省すべき点について文献的考察を加え報告した
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.34.1134