原発性免疫不全症候群
免疫不全症は, 原発性免疫不全症候群と各種の要因により二次的に免疫監視機構に障害を生じた状態である続発性免疫不全症候群に大別される. 続発性免疫不全症候群の要因としては, HIVや麻疹ウイルス感染, 副腎皮質ステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑制薬の投与によることが多い. 原発性免疫不全症候群は免疫系の欠陥を主病態とする先天性あるいは遺伝性の疾患群である. 免疫系は, リンパ球による特異的免疫機構と, 食細胞や補体などが関与する非特異的免疫機構とから成り立っている. 特異的免疫機構を担う主要細胞には, Bリンパ球とTリンパ球とがあり, これらの障害パターンによって, 1)抗体欠乏を主徴とする...
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Published in | Japanese Journal of National Medical Services Vol. 56; no. 3; pp. 175 - 179 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
2002
国立医療学会 Japanese Society of National Medical Services |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.56.175 |
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Summary: | 免疫不全症は, 原発性免疫不全症候群と各種の要因により二次的に免疫監視機構に障害を生じた状態である続発性免疫不全症候群に大別される. 続発性免疫不全症候群の要因としては, HIVや麻疹ウイルス感染, 副腎皮質ステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑制薬の投与によることが多い. 原発性免疫不全症候群は免疫系の欠陥を主病態とする先天性あるいは遺伝性の疾患群である. 免疫系は, リンパ球による特異的免疫機構と, 食細胞や補体などが関与する非特異的免疫機構とから成り立っている. 特異的免疫機構を担う主要細胞には, Bリンパ球とTリンパ球とがあり, これらの障害パターンによって, 1)抗体欠乏を主徴とする免疫不全症, 2)複合免疫不全症, 3)その他の明確に定義された免疫不全症, 4)その他の原発性免疫不全症に分けることができる. さらに5)食細胞機能不全症, 6)補体欠損症, 7)免疫不全症をともなう先天性または遺伝性疾患に整理でき, 多種多様の疾患群である. 1995年のWHO分類を基準とした原発性免疫不全症候群についてその概要を述べる. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.56.175 |