レーザースペックルフローグラフィーを用いた視神経炎疑い症例におけるUhthoff徴候出現前後の眼血流測定

Uhthoff徴候は体温上昇に伴い視力低下などが出現する現象だが,眼血流との関係についての報告はまだない.我々はlaser speckle flowgraphy(LSFG)を用い,視神経炎疑い症例のトレッドミル負荷前後における,視神経乳頭血流を測定したので報告する.症例は25歳女性.1か月前から運動後や入浴後に一時的な右眼視力低下を自覚し,精査目的に当科紹介受診した.Uhthoff徴候と考え,トレッドミル負荷前後に視力,視野,視覚誘発電位(VEP),視神経乳頭血流を測定した.さらに,1年後の症状消失時に同様の検査を行い,その変化を検討した.Uhthoff徴候を認めている間では視野異常,VEP遅...

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Published in神経眼科 Vol. 39; no. 1; pp. 34 - 39
Main Authors 加藤, 桂子, 石川, 均, 富田, 匡彦, 堀, 裕一, 濱, 奈緒子, 功刀, 葉子, 松本, 直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.03.2022
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.39.34

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Summary:Uhthoff徴候は体温上昇に伴い視力低下などが出現する現象だが,眼血流との関係についての報告はまだない.我々はlaser speckle flowgraphy(LSFG)を用い,視神経炎疑い症例のトレッドミル負荷前後における,視神経乳頭血流を測定したので報告する.症例は25歳女性.1か月前から運動後や入浴後に一時的な右眼視力低下を自覚し,精査目的に当科紹介受診した.Uhthoff徴候と考え,トレッドミル負荷前後に視力,視野,視覚誘発電位(VEP),視神経乳頭血流を測定した.さらに,1年後の症状消失時に同様の検査を行い,その変化を検討した.Uhthoff徴候を認めている間では視野異常,VEP遅延を認めたが,運動負荷前後の視神経乳頭血流の傾向(左右差)に変化を認めなかった.また,自覚症状消失時の運動負荷前後で視力,視野,VEP,視神経乳頭血流の傾向に変化を認めなかった.本症例において視神経乳頭血流は急性期の視力,視野などの変化と関係は認めず,Uhthoff徴候との間にも明確な関連性はないことが示唆された.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.39.34