ホームエクササイズによる前十字靭帯再建術後のリハビリテーション

本研究の目的は,前十字靭帯再建術後のリハビリテーションを自主訓練として行った場合,通院にて理学療法士の指導の下に行った場合と同様の結果が得られるか否かを前向きに検討することである.対象は当院にて薄筋腱•半腱様筋腱を使用して前十字靭帯再建術を行い,術後 1 年以上経過観察が行えた 38 例である.このうち自主訓練を行った群が 17 例(男性 11 例,女性 6 例,平均年齢 28.4 歳),通院リハビリテーション群が 21 例(男性 12 例,女性 9 例,平均年齢 21.1 歳)であった.両群間で,術後 3,6,12 ヵ月の時点での,大腿周囲径,可動域,Lachman test, Pivot...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 43; no. 10; pp. 668 - 674
Main Authors 湊, 省, 千見寺, 貴子, 武田, 芳嗣, 小川, 貴之, 東田, 武志, 成瀬, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 2006
日本リハビリテーション医学会
Subjects
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.43.668

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Summary:本研究の目的は,前十字靭帯再建術後のリハビリテーションを自主訓練として行った場合,通院にて理学療法士の指導の下に行った場合と同様の結果が得られるか否かを前向きに検討することである.対象は当院にて薄筋腱•半腱様筋腱を使用して前十字靭帯再建術を行い,術後 1 年以上経過観察が行えた 38 例である.このうち自主訓練を行った群が 17 例(男性 11 例,女性 6 例,平均年齢 28.4 歳),通院リハビリテーション群が 21 例(男性 12 例,女性 9 例,平均年齢 21.1 歳)であった.両群間で,術後 3,6,12 ヵ月の時点での,大腿周囲径,可動域,Lachman test, Pivot shift test, KT-2000,IKDC objective およびsubjective score,Lysholm sooreにおいて有意差はなかった.等速性筋力は,術後6ヵ月の時点で,伸展•屈曲ともに自主訓練群が有意に大きく,12 ヵ月では両群間に差はなかった.以上より,リハビリテーションの重要性と内容を十分に理解し,やる気を持った患者に対しては,自主訓練で行っても,通院で行った場合と同様の成績が得られる.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.43.668