喫煙歴がある人間ドック受診者における閉塞性換気障害の実態とCT所見との関連についての検討

目的:喫煙歴がある人間ドック受診者における閉塞性換気障害の実態とCT所見との関連を把握する. 方法:2014年4月1日からの1年間で呼吸機能検査を含む人間ドックを受診した35,755例のうち,非喫煙者と肺の基礎疾患を有する者を除外した14,411例を対象に,閉塞性換気障害を有する症例を「閉塞性群」(これ以外は「非閉塞性群」),このうち%1秒量80%以上を「軽症閉塞性群」,80%未満を「中等症以上閉塞性群」とした.各群で性・年齢・喫煙指数を,胸部CT施行624例については気腫性・気道病変の有無を調査した. 結果:「閉塞性群」は1,480例(10.3%),このうち「軽症閉塞性群」639例(4.4%...

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Published in人間ドック Vol. 32; no. 4; pp. 639 - 644
Main Authors 山田, 珠樹, 青山, 和史, 森田, 博紀, 深津, 満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2017
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.32.639

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Summary:目的:喫煙歴がある人間ドック受診者における閉塞性換気障害の実態とCT所見との関連を把握する. 方法:2014年4月1日からの1年間で呼吸機能検査を含む人間ドックを受診した35,755例のうち,非喫煙者と肺の基礎疾患を有する者を除外した14,411例を対象に,閉塞性換気障害を有する症例を「閉塞性群」(これ以外は「非閉塞性群」),このうち%1秒量80%以上を「軽症閉塞性群」,80%未満を「中等症以上閉塞性群」とした.各群で性・年齢・喫煙指数を,胸部CT施行624例については気腫性・気道病変の有無を調査した. 結果:「閉塞性群」は1,480例(10.3%),このうち「軽症閉塞性群」639例(4.4%),「中等症以上閉塞性群」841例(5.8%)であった.「非閉塞性群」に比べて「閉塞性群」で男性の割合が大きく,年齢・喫煙指数が高かった.また,「軽症閉塞性群」に比べて「中等症以上閉塞性群」においても男性の割合が大きく,喫煙指数が高かった.「気腫性・気道病変のいずれかあり」の割合は,「非閉塞性群」539例中106例(19.7%),「閉塞性群」85例中63例(74.1%)で後者が大きかった.「軽症閉塞性群」40例中27例(67.5%),「中等症以上閉塞性群」45例中36例(80.0%)で差はなかった. 結論:喫煙歴がある人間ドック受診者の約1割に閉塞性換気障害がみられ,これらでは,CT所見として気腫性病変または気道病変を有する割合が高かった.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.32.639