女性健診受診者の年代別朝食欠食とメタボリックシンドローム関連指標による検討

「要約」目的:健診受診者の保健指導時の基礎資料とするために, 女性健診受診者の年代別朝食欠食とメタボリックシンドローム(以下, MetS)関連指標との関連を明らかにすることを目的とした. 方法:研究対象者は, 平成23年4月から平成24年3月までに健康管理センターを受診した20~69歳までの女性受診者4,378名とした. 特定健診の質問票から朝食摂取群と欠食群の2群に分けて, 本研究で設定した8項目のMetS関連指標の平均値比較を全体および年代別に解析した. さらに, MetS関連指標の基準内と基準外で朝食2群比較を行った. 結果:全体の平均値比較では, 朝食欠食群において, MetS関連指標...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人間ドック Vol. 31; no. 4; pp. 570 - 579
Main Authors 安部聡子, 原雅文, 大中佳子, 下司映一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本人間ドック学会 2016
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「要約」目的:健診受診者の保健指導時の基礎資料とするために, 女性健診受診者の年代別朝食欠食とメタボリックシンドローム(以下, MetS)関連指標との関連を明らかにすることを目的とした. 方法:研究対象者は, 平成23年4月から平成24年3月までに健康管理センターを受診した20~69歳までの女性受診者4,378名とした. 特定健診の質問票から朝食摂取群と欠食群の2群に分けて, 本研究で設定した8項目のMetS関連指標の平均値比較を全体および年代別に解析した. さらに, MetS関連指標の基準内と基準外で朝食2群比較を行った. 結果:全体の平均値比較では, 朝食欠食群において, MetS関連指標のBMI, 腹囲, TG, LDL-C, が有意に高値, HDL-Cが低値を示した. 2項ロジスティック回帰分析でも関連因子として腹囲, TG, FPG, LDL-Cとの関与が示された. 年代別では, MetS関連指標の平均値比較で, 20歳代(3項目), 30歳代(3項目), 60歳代(1項目)に摂取群と欠食群の有意差があり, 40歳代(6項目), 50歳代(6項目)は顕著に関与項目が多かった. さらに, 朝食欠食群において, MetS関連指標の基準外となる割合が高率であったのが, 20歳代(腹囲), 30歳代(FPG・LDL-C), 40歳代(腹囲・SBP・FPG・TG・LDL-C), 50歳代(腹囲・TG・HDL-C)であり, 60歳代を除く年代でMetS関連指標との相関を認めた. 結論:習慣的朝食欠食はMetSにつながる可能性が高く, 保健指導としては年代別のライフステージの特徴をとらえながら, 個別性のある指導を行うことや40歳代より早期の介入を検討することが必要である.
ISSN:1880-1021
DOI:10.11320/ningendock.31.570