人間ドックのオプションとしての光干渉断層計検査の有用性の再検討
目的:オプションの検査項目として光干渉断層計(以下,OCT)による網膜神経線維層解析を実施している.その緑内障に対する有用性について再検討した. 方法:平成23年4月から平成26年3月に眼底検査(無散瞳眼底撮影),眼圧検査(ノンコンタクト),OCT検査(網膜神経線維層解析)を実施した6,443名(男性3,698名,女性2,745名),平均年齢49.4±9.4(18~82)歳に対し,各検査の陽性率,k係数による一致率,緑内障確定診断者の検診ルートについて調査,比較検討した. 結果:各検査の緑内障に対する陽性率は,眼底検査7.5%,OCT検査22.3%,眼圧検査1.3%であった.次に,OCT検査と...
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Published in | 人間ドック Vol. 30; no. 3; pp. 574 - 579 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2015
日本人間ドック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
DOI | 10.11320/ningendock.30.574 |
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Summary: | 目的:オプションの検査項目として光干渉断層計(以下,OCT)による網膜神経線維層解析を実施している.その緑内障に対する有用性について再検討した. 方法:平成23年4月から平成26年3月に眼底検査(無散瞳眼底撮影),眼圧検査(ノンコンタクト),OCT検査(網膜神経線維層解析)を実施した6,443名(男性3,698名,女性2,745名),平均年齢49.4±9.4(18~82)歳に対し,各検査の陽性率,k係数による一致率,緑内障確定診断者の検診ルートについて調査,比較検討した. 結果:各検査の緑内障に対する陽性率は,眼底検査7.5%,OCT検査22.3%,眼圧検査1.3%であった.次に,OCT検査と眼底検査の相関は,一致率73.2%と高い一致が得られた.不一致となった14件中6件に前緑内障が含まれていた.眼底検査と眼圧検査,OCT検査と眼圧検査は低い一致であった.最後に,検診陽性者のうち最終的に緑内障と診断された検出ルートの比率は眼底検査95.6%,OCT検査15.6%,眼圧検査4.4%であった. 結論:OCT検査は検出ルートで最も有効であった眼底検査との一致率も高く,前緑内障を検出し,有用性を再確認できた. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock.30.574 |