脳ドックにおける未破裂脳動脈瘤の破裂予測
目的:未破裂脳動脈瘤の破裂予測については,いまだに確定的な診断方法は存在しない.そこで,4dimensiona1-CT angiography(4D-CTA)を用いて未破裂脳動脈瘤の壁性状を観察することにより,個別に未破裂脳動脈瘤の破裂の可能性について検討を行った.方法:未破裂脳動脈瘤患者27例,31動脈瘤を対象とした.全例心電図同期下でCT撮影,4D-CTA画像を作成し,動脈瘤壁の性状,特にblebなどについて検討した。また一部の症例で3D-digital angiOgraphy(3D-DA)画像および術中所見との比較を行った.結果:4D-CTA画像により動脈瘤壁が不整と診断されたのは19動...
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Published in | 人間ドック Vol. 23; no. 1; pp. 38 - 43 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2008
日本人間ドック学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
DOI | 10.11320/ningendock2005.23.38 |
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Summary: | 目的:未破裂脳動脈瘤の破裂予測については,いまだに確定的な診断方法は存在しない.そこで,4dimensiona1-CT angiography(4D-CTA)を用いて未破裂脳動脈瘤の壁性状を観察することにより,個別に未破裂脳動脈瘤の破裂の可能性について検討を行った.方法:未破裂脳動脈瘤患者27例,31動脈瘤を対象とした.全例心電図同期下でCT撮影,4D-CTA画像を作成し,動脈瘤壁の性状,特にblebなどについて検討した。また一部の症例で3D-digital angiOgraphy(3D-DA)画像および術中所見との比較を行った.結果:4D-CTA画像により動脈瘤壁が不整と診断されたのは19動脈瘤(61%)であった.内訳は,small(3-4mm)で4個(13%),medium(5-9mm)で13個(42%),large(10-25mm)で2個(6%)であった.また,9個の動脈瘤(29%)でblebと思われる所見が認められ,その拍動も4D-CTA画像で観察可能であった.さらに,blebに関して術中所見と4D-CTA画像は一致しており,術前得られた4D-CTA画像は脳動脈瘤壁の脆弱性をある程度反映しているものと推測された.結論:4D-CTA画像により脳動脈瘤のblebの診断,壁の脆弱性などの推定が可能となり,脳ドックにおいて脳動脈瘤破裂の可能性,予測に重要な情報が得られることが判明した. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock2005.23.38 |