オブラートあるいは服薬補助ゼリーで包んだ錠剤及びカプセル剤における 溶出挙動

「はじめに」薬物療法において, 薬剤を正しく服用することは治療効果を期待する上で重要なことである. しかし, 薬剤特有の苦味や臭い,1) 散剤が口中に拡がった時の不快感,2) 入れ歯の隙間に顆粒が入り込んだ時の痛み3)など, QOLに関連した服薬拒否や服薬困難に関する相談が服薬指導時などに薬剤師へ寄せられる. また, 高齢者や神経内科領域の患者では種々の生理機能や身体機能の低下のため嚥下困難を訴え, 薬剤を飲み込むことができない事例がしばしば発生している.4,5) したがって, 服薬が難しい患者に薬を飲み易く工夫することも薬剤師に必要とされている. 一方, 薬剤の飲み込みを補助したり, 臭いや...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 1; pp. 161 - 168
Main Authors 山下, 恭範, 松原, 和夫, 早勢, 伸正, 大滝, 康一, 粟屋, 敏雄, 岩山, 訓典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2011
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.161

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Summary:「はじめに」薬物療法において, 薬剤を正しく服用することは治療効果を期待する上で重要なことである. しかし, 薬剤特有の苦味や臭い,1) 散剤が口中に拡がった時の不快感,2) 入れ歯の隙間に顆粒が入り込んだ時の痛み3)など, QOLに関連した服薬拒否や服薬困難に関する相談が服薬指導時などに薬剤師へ寄せられる. また, 高齢者や神経内科領域の患者では種々の生理機能や身体機能の低下のため嚥下困難を訴え, 薬剤を飲み込むことができない事例がしばしば発生している.4,5) したがって, 服薬が難しい患者に薬を飲み易く工夫することも薬剤師に必要とされている. 一方, 薬剤の飲み込みを補助したり, 臭いや苦味をマスクするために薬剤をオブラートに包んだりゼリーに混ぜて服用する場合がある. 飲み難い薬や苦い薬の服用時にオブラートやゼリーを使用するかどうかについて, 大学病院及び調剤薬局の外来患者を対象にアンケート調査を実施した結果, 多くの患者がオブラートを使用している実態が報告されている.6)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.161