急性期病院勤務職員のロコモティブシンドロームの実態

目的:病院に勤務する職員を対象にロコモティブシンドローム(ロコモ)の実態を明らかにし,その予防のための対策を講じること.方法:急性期病院Aに勤務する20~50歳代の職員239名(平均年齢39.20±10.31歳),男性63名,女性176名)に立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25の3項目からなるロコモ度テストを実施した.結果を年齢別,職種別,ロコモ度テストの該当項目別に集計し,SPSSを用いて統計解析を行った.結果:ロコモ該当者は62名で全体の25.9%を占めた.ロコモ該当者の割合は50歳代で40歳代の約3倍に増加した.ロコモの該当項目では,看護師は50歳代でロコモ25単独,運動機能と...

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Published in人間ドック Vol. 35; no. 5; pp. 748 - 756
Main Authors 高橋, 佳孝, 吉岡, 慎司, 清水, 幸裕, 大西, 真弓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2021
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.35.748

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Summary:目的:病院に勤務する職員を対象にロコモティブシンドローム(ロコモ)の実態を明らかにし,その予防のための対策を講じること.方法:急性期病院Aに勤務する20~50歳代の職員239名(平均年齢39.20±10.31歳),男性63名,女性176名)に立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25の3項目からなるロコモ度テストを実施した.結果を年齢別,職種別,ロコモ度テストの該当項目別に集計し,SPSSを用いて統計解析を行った.結果:ロコモ該当者は62名で全体の25.9%を占めた.ロコモ該当者の割合は50歳代で40歳代の約3倍に増加した.ロコモの該当項目では,看護師は50歳代でロコモ25単独,運動機能とロコモ25の両方に該当する割合が高くなったが,医師,事務職,技術職では50歳代で運動機能単独による該当割合が40歳代までと比べ高くなる傾向がみられた.看護師においては他職種と比較して有意に女性が多いことと,疾患特異的・患者立脚型慢性腰痛症患者機能評価尺度(Japan Low Back Pain Evaluation Questionnaire: JLEQ)の結果で,50歳代で腰痛の程度が増加することから,腰痛がロコモ該当に関連していると考えられた.結論:本研究では,年代によるロコモ該当率が既報とは異なっており,その理由として職種や性別が関連していると考えられた.また,看護師は50歳代で腰痛がロコモ該当の要因として挙げられ,腰痛予防がロコモ対策に重要であることが推察された.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.35.748