膵頭十二指腸切除術後の胆管炎の発症リスクの検討
【はじめに】膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy:以下PD)後の胆管炎は,周術期のみならず退院後も発症する合併症であり,時に致命的となる。しかし,PD術後の晩期合併症としての胆管炎についての報告は少ない。今回われわれは当院での PD施行症例における胆管炎の発症リスクについて検討した。【方法】2008年 1月から 2015年 8月までに当院で PDを施行した 190症例について後ろ向きに検討した。入院を要した胆管炎症例と臨床病理学的因子の相関について検討を行った。【結果】胆管炎は 22例に認めた .胆管径の cut-off値を 8.2mm(AUC=0.6629,感度...
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Published in | 日本外科感染症学会雑誌 Vol. 15; no. 4; pp. 270 - 275 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外科感染症学会
31.08.2018
Japan Society for Surgical Infection |
Subjects | |
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ISSN | 1349-5755 2434-0103 |
DOI | 10.24679/gekakansen.15.4_270 |
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Summary: | 【はじめに】膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy:以下PD)後の胆管炎は,周術期のみならず退院後も発症する合併症であり,時に致命的となる。しかし,PD術後の晩期合併症としての胆管炎についての報告は少ない。今回われわれは当院での PD施行症例における胆管炎の発症リスクについて検討した。【方法】2008年 1月から 2015年 8月までに当院で PDを施行した 190症例について後ろ向きに検討した。入院を要した胆管炎症例と臨床病理学的因子の相関について検討を行った。【結果】胆管炎は 22例に認めた .胆管径の cut-off値を 8.2mm(AUC=0.6629,感度0.68,特異度0.64,Yoden index)として単変量解析を行ったところ,術前胆管径 8.2mm未満は胆管炎発症のリスク因子となった。その他の臨床病理学的因子は胆管炎の発症と有意な相関は認められなかった。【結語】術前の胆管径が 8.2mm未満であることは,PD術後胆管炎のリスクと考えられた。 |
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ISSN: | 1349-5755 2434-0103 |
DOI: | 10.24679/gekakansen.15.4_270 |