アレルギー症状の保有とその対処に関する全国消費者アンケート調査

「緒言」 わが国におけるアレルギー性疾患の罹患率は, 食生活や住環境の変化, 大気汚染, 抗原量の増加, 遺伝的素因などにより増加傾向にあると言われている. これまでに, アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎, 気管支喘息などの罹患率について全国的な調査が行われており, アレルギー性鼻炎では29.8-39.4%, 1, 2)アトピー性皮膚炎は6.9-14.1%, 1, 3)気管支喘息では5.2-9.1%1, 4)と報告されている. しかし, アレルギー性結膜炎や食物アレルギーの罹患率は, それぞれ, 15-20%及び3%程度と推測されているものの, 大規模な調査は行われていない. また, 上述...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 8; pp. 983 - 991
Main Authors 品川, 浩康, 小林, 大介, 齋藤, 侑也, 大嶋, 繁, 高柳, 昌幸, 倉持, 美香, 根本, 英一, 土橋, 朗, 久津間, 信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2009
日本薬学会
Online AccessGet full text
ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.983

Cover

More Information
Summary:「緒言」 わが国におけるアレルギー性疾患の罹患率は, 食生活や住環境の変化, 大気汚染, 抗原量の増加, 遺伝的素因などにより増加傾向にあると言われている. これまでに, アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎, 気管支喘息などの罹患率について全国的な調査が行われており, アレルギー性鼻炎では29.8-39.4%, 1, 2)アトピー性皮膚炎は6.9-14.1%, 1, 3)気管支喘息では5.2-9.1%1, 4)と報告されている. しかし, アレルギー性結膜炎や食物アレルギーの罹患率は, それぞれ, 15-20%及び3%程度と推測されているものの, 大規模な調査は行われていない. また, 上述の調査では, 医療機関を受診しない潜在的なアレルギー患者を拾い上げていない可能性があり, これも含めたアレルギー保有率については明らかではない. 一方, アレルギー性疾患の治療におけるセルフメディケーションの役割は, スイッチ化の推進を背景として高まりをみせているものの, 患者あるいは消費者の治療指向性, すなわち医療機関への受診あるいはセルフメディケーションの選択に関する詳しい情報は報告されていない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.983