大学内特定健診における腹囲測定とメタボリックシンドロームとの関連性

「緒言」 2002年, 世界保健機構(WHO)は動脈硬化を促進する代謝症候群の重要なファクターとして高血圧, 肥満, 糖代謝異常, 高脂血症などを挙げ, 世界規模での循環器疾患予防が重要であると宣言した. 1) また, わが国では, 2008年4月, 40-74歳までの医療保険加入者を対象に, 新たに特定健診(特定健康診査)・特定保健指導という制度が始まった. 特定健診・特定保健指導の目的は, 生活習慣病の発症を未然に防ぐために, メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)罹患者やその予備群をみつけ出し, 対象者に生活改善を指導することにある. メタボリックシンドロームは, 国外では若干診断基...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 8; pp. 965 - 974
Main Authors 掛樋, 一晃, 佐川, 和則, 山田, 秀和, 新藤, 勝久, 高島, 規郎, 川﨑, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2009
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.965

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Summary:「緒言」 2002年, 世界保健機構(WHO)は動脈硬化を促進する代謝症候群の重要なファクターとして高血圧, 肥満, 糖代謝異常, 高脂血症などを挙げ, 世界規模での循環器疾患予防が重要であると宣言した. 1) また, わが国では, 2008年4月, 40-74歳までの医療保険加入者を対象に, 新たに特定健診(特定健康診査)・特定保健指導という制度が始まった. 特定健診・特定保健指導の目的は, 生活習慣病の発症を未然に防ぐために, メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)罹患者やその予備群をみつけ出し, 対象者に生活改善を指導することにある. メタボリックシンドロームは, 国外では若干診断基準が異なるものの, 日本では「内臓脂肪型肥満に加えて, 高血糖, 高血圧, 脂質異常のうち, いずれか2つ以上を併せ持った状態を指す」と定義されている. また, 厚生労働省は平成19年国民健康・栄養調査結果から, 40歳から74歳までの年齢層においてメタボリックシンドローム罹患者は約1070万人, その予備群は約940万人に達すると推計している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.965