分子イメージングを駆使したADCの開発

「はじめに」 欧米を中心に抗体医薬の臨床応用が進んでいる. さらに, 次世代抗体医薬として, antibody-drug conjugate (ADC)やBispecific antibodyなどの開発も盛んである. ADCの場合は, 再発性や転移性 の難治性がんに対して有効性が示されている点が大きな強みである. また, ADCの場合はドラッグデザイン上, 抗体はアクティブターゲッティング能を持つ高分子キャリアと言える. さらに, 薬剤を結合しているリンカーは, 血中では安定で腫瘍部局所では薬剤を効率よくリリースできるコントロールド・リリース能が大変重要視されている. したがって, 通常抗体医...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 5; pp. 535 - 544
Main Authors 安永, 正浩, 眞鍋, 史乃, 辻, 厚至, 古田, 大, 緒方, 是嗣, 古賀, 宣勝, 藤原, 悠起, 佐賀, 恒夫, 松村, 保広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.05.2017
日本薬学会
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Summary:「はじめに」 欧米を中心に抗体医薬の臨床応用が進んでいる. さらに, 次世代抗体医薬として, antibody-drug conjugate (ADC)やBispecific antibodyなどの開発も盛んである. ADCの場合は, 再発性や転移性 の難治性がんに対して有効性が示されている点が大きな強みである. また, ADCの場合はドラッグデザイン上, 抗体はアクティブターゲッティング能を持つ高分子キャリアと言える. さらに, 薬剤を結合しているリンカーは, 血中では安定で腫瘍部局所では薬剤を効率よくリリースできるコントロールド・リリース能が大変重要視されている. したがって, 通常抗体医薬は分子標的剤の範疇として扱われることが多いが, ADCに関しては薬剤の特徴はdrug delivery system (DDS)製剤そのものとも言える. そこでわれわれは通常のDDS製剤同様にドラッグデリバリーの観点から, ADCの研究開発を行っている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00255-3