検診マンモグラフィ非検出乳がんの検討

目的:当施設で撮影した検診マンモグラフィで検出できなかった乳がん(以下,検診MMG非検出がん)について,精密医療機関でのMMG(以下,精査MMG)との所見を比較検討し,MMGの限界を明らかにすることを目的とした. 方法:2007年1月から2011年12月までに当施設の超音波(以下,US)併用検診で発見された乳がん90例のうち,検診MMG非検出がん36例を対象として,検診MMG非検出がんおよび,精査MMG非検出がんの特徴を検討した. 結果:検診MMG非検出がん36例のうち,半数以上は精査MMGでも検出不可能であった.精査MMGの検出例は2方向撮影,拡大撮影,スポット撮影などの追加撮影で病変が検出...

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Published in人間ドック Vol. 28; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 中野, 幸恵, 渋谷, 克彦, 吉本, 雅彦, 橋本, 俊彦, 那須, 繁, 長, 真由美, 吉村, 理江, 森, 寿治, 渡邉, 良二, 東條, 道徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2013
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.28.29

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Summary:目的:当施設で撮影した検診マンモグラフィで検出できなかった乳がん(以下,検診MMG非検出がん)について,精密医療機関でのMMG(以下,精査MMG)との所見を比較検討し,MMGの限界を明らかにすることを目的とした. 方法:2007年1月から2011年12月までに当施設の超音波(以下,US)併用検診で発見された乳がん90例のうち,検診MMG非検出がん36例を対象として,検診MMG非検出がんおよび,精査MMG非検出がんの特徴を検討した. 結果:検診MMG非検出がん36例のうち,半数以上は精査MMGでも検出不可能であった.精査MMGの検出例は2方向撮影,拡大撮影,スポット撮影などの追加撮影で病変が検出されていた.石灰化を伴わない非浸潤性乳管癌(以下,DCIS)および,腫瘍径10mm未満の浸潤癌はMMG非検出となる傾向であった. 結論:MMGの描出能には限界があると示唆された.非浸潤癌や腫瘍径の小さいもの,もしくは浸潤が微小な乳がんはMMG非検出になる傾向を認め,MMGの検出能には限界があることが示唆された.発見率向上のためにはUS併用検診が望ましいと考えられた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.28.29