肝門部悪性胆道狭窄を伴った切除不能胆管癌の化学療法―メタリックステントによるマルチステンティングの有用性
メタリックステント (MS) によるマルチステンティング後の化学療法の有用性と安全性を検討した. 1999年から2006年間に肝門部胆管狭窄でマルチステンティングを行った胆道癌患者46例を31例の化学療法群と15例のbest supportive care群 (BSC群) に分け, 生存期間, MS開存期間, 合併症について後向きに検討した. 化学療法はゲムシタビンかS-1を投与した. 多変量解析による結果では化学療法は生存期間を延長 (HR0.36 ; 95%CI 0.14-0.91) し, 生存期間中央値はそれぞれ化学療法群420日, BSC群190日であった (P<0.05). 合...
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Published in | Tando Vol. 22; no. 5; pp. 624 - 631 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2008
Japan Biliary Association |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.22.624 |
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Summary: | メタリックステント (MS) によるマルチステンティング後の化学療法の有用性と安全性を検討した. 1999年から2006年間に肝門部胆管狭窄でマルチステンティングを行った胆道癌患者46例を31例の化学療法群と15例のbest supportive care群 (BSC群) に分け, 生存期間, MS開存期間, 合併症について後向きに検討した. 化学療法はゲムシタビンかS-1を投与した. 多変量解析による結果では化学療法は生存期間を延長 (HR0.36 ; 95%CI 0.14-0.91) し, 生存期間中央値はそれぞれ化学療法群420日, BSC群190日であった (P<0.05). 合併症は前者で胆嚢炎 (n=3) と肝膿瘍 (n=1). 後者では仮性動脈瘤による胆道出血 (n=1) を認めた. 肝門部悪性胆道狭窄を伴った胆道癌症例に対する化学療法は生存期間延長に寄与し, MSによるマルチステンティングで安全に施行可能である. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.22.624 |