内臓脂肪変化量に対する各種生活習慣病関連因子変化量の関係についての検討

目的:メタボリックシンドロームの概念の普及とともに,内臓脂肪蓄積と高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病との関係が明らかになってきている.今回は内臓脂肪面積変化量と生活習慣病関連因子変化量との関係を検討することを目的とした. 方法:当施設でCTスキャンにより内臓脂肪面積を2回以上測定した372名における内臓脂肪面積変化量と種々の生活習慣病関連因子変化量との関連について検討した. 結果:血圧,脂質,空腹時血糖値,糖負荷後120分血糖値,空腹時インスリン値の変化量と内臓脂肪面積変化量との間には有意な相関が認められた.動脈硬化危険因子数は内臓脂肪面積の変化により増減することが確認された.また,内...

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Published in人間ドック Vol. 25; no. 4; pp. 638 - 643
Main Authors 福井, 敏樹, 山内, 一裕, 安部, 陽一, 宮本, 侑, 吉鷹, 寿美江, 丸山, 美江, 安田, 忠司, 深見, 孝治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2010
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.25.638

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Summary:目的:メタボリックシンドロームの概念の普及とともに,内臓脂肪蓄積と高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病との関係が明らかになってきている.今回は内臓脂肪面積変化量と生活習慣病関連因子変化量との関係を検討することを目的とした. 方法:当施設でCTスキャンにより内臓脂肪面積を2回以上測定した372名における内臓脂肪面積変化量と種々の生活習慣病関連因子変化量との関連について検討した. 結果:血圧,脂質,空腹時血糖値,糖負荷後120分血糖値,空腹時インスリン値の変化量と内臓脂肪面積変化量との間には有意な相関が認められた.動脈硬化危険因子数は内臓脂肪面積の変化により増減することが確認された.また,内臓脂肪面積の増減と各種肥満関連因子の増減との相関はすべて非常に強く,その中では腹囲よりもBMIの変化量との相関の方が強かった. 結論:内臓脂肪面積変化量は,各種生活習慣病関連因子変化量と有意な相関を示し,内臓脂肪面積の測定の有用性が示唆されたが,CTスキャンを用いて内臓脂肪面積を測定する費用対効果等については今後の検討課題と考えられた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.25.638