臨床ゲノム研究の現状とPharmacogenomics (PGx) のガイドラインの整備

「1. はじめに」ヒトゲノムを始め, 多くの種の全ゲノム配列が明らかになった今, 医学生物学研究は大きく変わろうとしている. 世代を伝わる情報の全体が判明したことにより, その設計図を基にした解析が始まった. 設計図を基にデータの取得が機械化され, データのサイズが爆発的に増えた. 得られた膨大なデータを基にコンピュータを用いた研究が盛んに行われるようになった. 膨大なデータ取得は, まずDNAシークエンサーによってなされ, 引き続き遺伝型解析機によって行われた. 最近では大規模並列シークエンサーが次々に発売され, データのサイズは幾何学的に増えている. 対象となる形質も, 最初は単一遺伝子疾...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 2; pp. 263 - 268
Main Author 鎌谷, 直之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2011
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.263

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Summary:「1. はじめに」ヒトゲノムを始め, 多くの種の全ゲノム配列が明らかになった今, 医学生物学研究は大きく変わろうとしている. 世代を伝わる情報の全体が判明したことにより, その設計図を基にした解析が始まった. 設計図を基にデータの取得が機械化され, データのサイズが爆発的に増えた. 得られた膨大なデータを基にコンピュータを用いた研究が盛んに行われるようになった. 膨大なデータ取得は, まずDNAシークエンサーによってなされ, 引き続き遺伝型解析機によって行われた. 最近では大規模並列シークエンサーが次々に発売され, データのサイズは幾何学的に増えている. 対象となる形質も, 最初は単一遺伝子疾患の研究が急速に進み, 引き続き多因子疾患の研究が行われるようになった. さらには, 薬物反応性に関する遺伝子の検索も盛んに行われている. このような大規模なデータとコンピュータ, 及びデータを解析するアルゴリズムの発達により華々しい成果が得られるようになった.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.263