患者参加型癌化学療法副作用モニタリング—患者の治療参加と情報の共有化
「緒言」癌治療において, それぞれの専門職のチーム医療としての係わり, コミュニケーションによる情報の共有化が必要と言えるだろう. 1)癌治療のあるべき姿は, インフォームドコンセントの元に患者がディシジョンメーキングを行うことであり, チーム医療の中心は患者, 家族にほかならない. 2)また, 抗癌剤による副作用発現には個人差が大きい上に, 併用療法を行った場合の副作用発現時期強度は明確に解明されていない. さらに, 治療の反復に伴う副作用の重症化が問題点として挙げられる. 近年, 多施設で癌化学療法に薬剤師が参画し, レジメン管理に基づく処方監査, 2-9)薬剤情報提供による患者教育, 2...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 126; no. 8; pp. 629 - 642 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
2006
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.126.629 |
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Summary: | 「緒言」癌治療において, それぞれの専門職のチーム医療としての係わり, コミュニケーションによる情報の共有化が必要と言えるだろう. 1)癌治療のあるべき姿は, インフォームドコンセントの元に患者がディシジョンメーキングを行うことであり, チーム医療の中心は患者, 家族にほかならない. 2)また, 抗癌剤による副作用発現には個人差が大きい上に, 併用療法を行った場合の副作用発現時期強度は明確に解明されていない. さらに, 治療の反復に伴う副作用の重症化が問題点として挙げられる. 近年, 多施設で癌化学療法に薬剤師が参画し, レジメン管理に基づく処方監査, 2-9)薬剤情報提供による患者教育, 2, 4‐6, 10, 11)及び副作用モニタリング5-9, 12)を行い, チーム医療における薬剤師の関与が注目されている. 現在, 副作用モニタリングに関して様々なツールが作成されているが, 次のような問題点が挙げられる. 第1に, 患者自身が治療に参加できていないこと. 第2に, 副作用情報であるツールが診療記録, あるいは薬剤師側で管理されているため, 患者には情報が共有化されていないこと. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.126.629 |