Frequency Doubling Technology Perimetryを付加した人間ドックにおける緑内障スクリーニング法の検討
目的:従来の眼科検診項目である眼底検査,眼圧検査にFrequency Doubling Technology Perimetry(FDT)を付加し人間ドックにおける緑内障スクリーニング方法について検討した. 方法:2011年6月から2014年12月に医療法人大宮シティクリニックの人間ドックにおける眼科検診項目(FDT,眼底検査,眼圧検査)で何らかの異常が指摘された症例6,930人を対象とし,これらの症例の眼科精密検査後の最終診断の結果をレトロスペクティブに比較検討した. 結果:上記期間の眼科検診受検者49,442人のうち,6,930人に何らかの異常を認めた.これらの症例に対して,最終診断の結果...
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Published in | 人間ドック Vol. 31; no. 1; pp. 22 - 27 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2016
日本人間ドック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
DOI | 10.11320/ningendock.31.22 |
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Summary: | 目的:従来の眼科検診項目である眼底検査,眼圧検査にFrequency Doubling Technology Perimetry(FDT)を付加し人間ドックにおける緑内障スクリーニング方法について検討した. 方法:2011年6月から2014年12月に医療法人大宮シティクリニックの人間ドックにおける眼科検診項目(FDT,眼底検査,眼圧検査)で何らかの異常が指摘された症例6,930人を対象とし,これらの症例の眼科精密検査後の最終診断の結果をレトロスペクティブに比較検討した. 結果:上記期間の眼科検診受検者49,442人のうち,6,930人に何らかの異常を認めた.これらの症例に対して,最終診断の結果調査を行い,緑内障と診断されたのは1,159人で,そのうち新たに緑内障と診断されたのは485人であった.このなかでFDT異常は426人,眼底検査異常は428人,眼圧検査異常は5人であった.また,FDTのみの異常は57人,眼底検査のみの異常52人,眼圧検査のみの異常1人が含まれた.FDTのみ異常例の特徴は,近視眼底のため緑内障所見が眼底写真から判断困難な傾向があり,眼底検査のみ異常であった症例の特徴は,眼底写真で網膜神経線維層欠損域が狭い傾向があった.一方,各検査の陽性的中率はFDT30.6%,眼底検査58.2%,眼圧検査42.4%で,最終診断で緑内障と診断された症例を異常検出した率はFDT89.5%,眼底検査88.4%,眼圧検査1.0%であった. 結論:FDTは人間ドックにおける緑内障スクリーニングに有用と考えられた.一方,FDT正常で眼底検査のみの異常例,眼底検査正常でFDTのみ異常の症例も多数存在するため,現状の眼科検診では両検査の併用が望ましいと思われた. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock.31.22 |