ショウガの抗肥満作用について

肥満は, 摂取エネルギーと消費エネルギーのアンバランスを特徴とするエネルギー代謝異常であり, 結果として脂肪細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態と定義され, 様々な肥満合併症を引き起こし, その対策が急務とされている. 近年, 食生活の欧米化に伴い, 特に脂肪摂取量の増加によって肥満を始めとする生活習慣病患者が急増していることが指摘されている. 肥満治療の原則が食事, 運動であることは明白である. しかし, 近年食欲抑制剤, 熱産生促進剤, 吸収抑制剤の開発が進んだ結果, 抗肥満薬の有用性が注目されている. 現在, 日本ではカテコールアミン作動薬であるマジンドールのみが抗肥満薬として承認されてい...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 125; no. 2; pp. 213 - 217
Main Authors 韓, 立坤, Xiao-Jie, Gong, 河野, 志穂, 齋藤, 雅人, 木村, 善行, 奥田, 拓道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2005
日本薬学会
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Summary:肥満は, 摂取エネルギーと消費エネルギーのアンバランスを特徴とするエネルギー代謝異常であり, 結果として脂肪細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態と定義され, 様々な肥満合併症を引き起こし, その対策が急務とされている. 近年, 食生活の欧米化に伴い, 特に脂肪摂取量の増加によって肥満を始めとする生活習慣病患者が急増していることが指摘されている. 肥満治療の原則が食事, 運動であることは明白である. しかし, 近年食欲抑制剤, 熱産生促進剤, 吸収抑制剤の開発が進んだ結果, 抗肥満薬の有用性が注目されている. 現在, 日本ではカテコールアミン作動薬であるマジンドールのみが抗肥満薬として承認されている. 最近, 米国など多くの国で膵リパーゼ阻害薬としてオリルスタット1)が臨床的に使われている. しかし, オリルスタット服用の早期にみられる放屁, 突然の便意, 脂肪便等副作用2)が指摘されている. 膵リパーゼ阻害薬の副作用を減らすため, 筆者らは日常よく使われている天然有機化合物の膵リパーゼ阻害作用をスクリーニングした. 3)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.125.213