ICU/CCUにおける薬剤業務の展開と他の医療スタッフからの評価及び問題点の解析

診療報酬における救命救急入院料算定に要する算定基準には薬剤師配置の記載はなく, 薬剤管理指導料の算定も認められていない現状では, 救急医療の現場に薬剤師を配置することは困難であると考えられる. 1) しかし, 救急医療では疾患が多岐に渡り, 個々の重症度も様々であるため, 使用される薬品の種類が多く, その使用方法及び投与量も広範囲に渡っている. 2) また, 症状の変化も急激であるため医薬品の確保と薬品情報提供は重要であり, 正確さと同様に迅速さも要求される. これらのことから, 救急医療の現場では薬剤師が医療チームの一員として患者の治療に関与する必要性がある. 平成13年9月に竣工した東京...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 124; no. 5; pp. 279 - 286
Main Authors 青山, 隆夫, 伊賀, 立二, 宮崎, 智雄, 中村, 均, 山田, 安彦, 関根, 祐子, 安野, 伸浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.05.2004
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.124.279

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Summary:診療報酬における救命救急入院料算定に要する算定基準には薬剤師配置の記載はなく, 薬剤管理指導料の算定も認められていない現状では, 救急医療の現場に薬剤師を配置することは困難であると考えられる. 1) しかし, 救急医療では疾患が多岐に渡り, 個々の重症度も様々であるため, 使用される薬品の種類が多く, その使用方法及び投与量も広範囲に渡っている. 2) また, 症状の変化も急激であるため医薬品の確保と薬品情報提供は重要であり, 正確さと同様に迅速さも要求される. これらのことから, 救急医療の現場では薬剤師が医療チームの一員として患者の治療に関与する必要性がある. 平成13年9月に竣工した東京大学病院新入院棟には, 重症入院患者の治療を集中的に行うICU(8床, Intensive Care Unit)/CCU(6床, Coronary Care Unit)が新設された. 薬剤部では本病棟の開設当初から運営に参画するとともに薬剤師2名が常駐して, 1)薬品管理(主に注射薬), 2)指示書のチェック(用法, 用量など), 3)注射薬の混合, 4)他の医療スタッフへの薬品情報提供を中心とした種々の薬剤業務を展開しており, その概略については既に報告している. 3)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.124.279