企業健診における尿中ミオイノシトール測定による耐糖能異常の検出

要約 目的:企業健診における尿中ミオイノシトール測定による, 耐糖能異常群の効率的・簡便な検査法の検討. 方法:定期健康診断で空腹時血糖値(FPG)が110~125mg/dLであった61名に同意を得た後75g糖負荷試験(75gOGTT)を実施し, WHO基準(1998年)に従い耐糖能の型分類を行った. 正常型のうち糖負荷1時間後の血糖値が180mg/dL以上の者は準境界型とした. 糖負荷前と2時間後に採尿, 旭化成ファーマ社のキットにて尿中ミオイノシトールを測定した. ΔUMIはクレアチニン補正した尿中ミオイノシトール濃度の負荷前後の差として計算し(後値-前値), ΔUMI検査による耐糖能異常...

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Published in人間ドック Vol. 25; no. 3; pp. 550 - 555
Main Authors 河津捷二, 山縣文夫, 坪井五三美, 富永真琴, 則武昌之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本人間ドック学会 2010
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Summary:要約 目的:企業健診における尿中ミオイノシトール測定による, 耐糖能異常群の効率的・簡便な検査法の検討. 方法:定期健康診断で空腹時血糖値(FPG)が110~125mg/dLであった61名に同意を得た後75g糖負荷試験(75gOGTT)を実施し, WHO基準(1998年)に従い耐糖能の型分類を行った. 正常型のうち糖負荷1時間後の血糖値が180mg/dL以上の者は準境界型とした. 糖負荷前と2時間後に採尿, 旭化成ファーマ社のキットにて尿中ミオイノシトールを測定した. ΔUMIはクレアチニン補正した尿中ミオイノシトール濃度の負荷前後の差として計算し(後値-前値), ΔUMI検査による耐糖能異常群の選別が可能であるか検討した. 結果:対象の49.2%は正常型であり75gOGTTは不必要であった. またΔUMIは耐糖能が低下するほど高値を示す傾向にあった. 本群におけるΔUMIの陽性率は糖尿病型においては100%(7/7)であり, 耐糖能異常であるIGTでは63.6%(7/11), 準境界型では83.3%(5/6)と高率であった. 結論:企業健診において尿中ミオイノシトール(ΔUMI)を測定することにより糖尿病や耐糖能異常を高感度に検出できる可能性が示された.
ISSN:1880-1021
DOI:10.11320/ningendock.25.550