薬袋バーコード印刷を利用した散剤誤投与防止システムの構築と評価
調剤された薬剤がいくら正確かつ適正であろうとも, 患者に渡る際, あるいは渡った後も間違いなく服用できるようになっていなければ安全性が保証されているとは言い難い. 特に, 散剤はその多くが白色のため, 分包後に分量及び粒子径の似通ったものを外観からチェックすることは不可能に近い. 当院においても散剤の使用頻度が高い病棟において与薬時の散剤取り違えの危険性が指摘されていた. また, 2剤以上服用している患者において, いったん薬袋から取り出した薬剤を用法の異なる別の薬袋に入れ間違うケースもしばしば見受けられた. これらを防ぐため, 分包機使用のつど, 付属のパソコンから, 直接患者名, 薬品名を...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 123; no. 5; pp. 331 - 336 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2003
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.123.331 |
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Summary: | 調剤された薬剤がいくら正確かつ適正であろうとも, 患者に渡る際, あるいは渡った後も間違いなく服用できるようになっていなければ安全性が保証されているとは言い難い. 特に, 散剤はその多くが白色のため, 分包後に分量及び粒子径の似通ったものを外観からチェックすることは不可能に近い. 当院においても散剤の使用頻度が高い病棟において与薬時の散剤取り違えの危険性が指摘されていた. また, 2剤以上服用している患者において, いったん薬袋から取り出した薬剤を用法の異なる別の薬袋に入れ間違うケースもしばしば見受けられた. これらを防ぐため, 分包機使用のつど, 付属のパソコンから, 直接患者名, 薬品名を入力して分包紙に印字させる方法も考えられるが, 入力ミス, あるいは入力操作の煩雑さなど, 安全面, 効率面から問題が多かった. そこで今回, 処方オーダ情報を薬袋にバーコード印字させ, 分包時にこれを読み込ませ, 効率よく, 確実に, 患者名薬品名等を印字させるシステムを新たに開発した. 本システムを導入したことによる効果について検証しておくことは, 医療事故防止の観点から極めて重要なことである. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.123.331 |