植物系違法ドラッグ製品及び法規制植物試料のDirect Analysis in Real Time (DART)-TOFMSを用いた迅速スクリーニング法の検討

「緒言」平成18年度の薬事法改正により, 平成19年4月より指定薬物制度が施行され, 違法ドラッグに対する規制が強化されてきている. しかし一方で, 規制が厳しくなった化学合成化合物の代替品として, 植物系違法ドラッグ製品の流通が深刻な問題となっている. 植物系違法ドラッグ製品に関しては, 製品が同一名称であっても異なった植物が流通していたり, 特定の活性成分を含有する植物が多数存在するために同定が困難であったり, 観賞用として流通している植物の近縁種であったりと, 一律に規制することが困難である. このような製品の流通実態を調査するためには, まずは, 個々の植物成分等についての研究を行うと...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 6; pp. 719 - 725
Main Authors 花尻(木倉), 瑠理, 合田, 幸広, 河村, 麻衣子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.06.2009
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.719

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Summary:「緒言」平成18年度の薬事法改正により, 平成19年4月より指定薬物制度が施行され, 違法ドラッグに対する規制が強化されてきている. しかし一方で, 規制が厳しくなった化学合成化合物の代替品として, 植物系違法ドラッグ製品の流通が深刻な問題となっている. 植物系違法ドラッグ製品に関しては, 製品が同一名称であっても異なった植物が流通していたり, 特定の活性成分を含有する植物が多数存在するために同定が困難であったり, 観賞用として流通している植物の近縁種であったりと, 一律に規制することが困難である. このような製品の流通実態を調査するためには, まずは, 個々の植物成分等についての研究を行うとともに, 実際の製品を分析するための, 効率のよいスクリーニング手法の検討が重要な課題である. 近年開発されたイオン化法Direct Analysis in Real Time(DART(TM))の動作原理は, 導入されたHeガスをニードル電極の放電によりプラズマ化し, 励起状態の中性気体分子として大気ガス中に放出すると, 測定対象物に直接作用しイオン化することによる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.719