臀下部坐骨神経パルス高周波法による膝上切断後の急性期幻肢痛の治療経験

「I はじめに」四肢切断後の幻肢痛の発生率は85%と高率であり, 切断後6カ月以内に発症し何年間も続く. 幻肢痛には末梢, 脊髄, および上位脳のメカニズムが関与し, それらに応じた薬物療法, 神経ブロック, 脊髄刺激, ミラー療法, パルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)などが行われるが, 治療効果は一定でなく難治性である. PRFは高周波を間欠的に通電し42℃以下で電場を発生させ, ニューロモデュレーションにより鎮痛を得る治療法で, 神経組織変性を起こしにくく安全性が高い. 坐骨神経PRFが, 術後1カ月~6年経過した幻肢痛に対し4~7カ月間有効との報告がある...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 287 - 289
Main Authors 南部, 隆, 澤村, 成史, 杉本, 真理子, 佐々木, 翼, 關山, 裕詩, 田村, 奈保子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.10.2018
日本ペインクリニック学会
Subjects
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.18-0007

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Summary:「I はじめに」四肢切断後の幻肢痛の発生率は85%と高率であり, 切断後6カ月以内に発症し何年間も続く. 幻肢痛には末梢, 脊髄, および上位脳のメカニズムが関与し, それらに応じた薬物療法, 神経ブロック, 脊髄刺激, ミラー療法, パルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)などが行われるが, 治療効果は一定でなく難治性である. PRFは高周波を間欠的に通電し42℃以下で電場を発生させ, ニューロモデュレーションにより鎮痛を得る治療法で, 神経組織変性を起こしにくく安全性が高い. 坐骨神経PRFが, 術後1カ月~6年経過した幻肢痛に対し4~7カ月間有効との報告がある. 大腿切断後の急性期幻肢痛に対しmultimodal analgesia(多様式鎮痛法)として臀下部坐骨神経PRFを行い, 長期間の鎮痛効果を得た. なお, 本報告については患者から書面で承認を得ている.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.18-0007