ss胆嚢癌の1例

「症例」60歳代の女性. 検診の超音波検査で胆嚢隆起性病変を指摘された. 血液生化学検査, 腫瘍マーカーに異常は認めなかった. 図1に超音波像, 図2に造影超音波像を示した. 胆嚢体部背側に約15mmの広基性の隆起性病変がみられる. 胆嚢壁の最外層の高エコー層は保たれているようにみえる(図1). また, 病変は全体に比較的均一な低エコーで隆起表面に凸凹がみられる. 図2はレボビストを用いた造影エコーである. 腫瘤は早期からよく染まっているが, 漿膜側に造影されない部分がみられる. 図3の超音波内視鏡像で胆嚢壁最外層の高エコーは断裂しているため, ss以上に進行した癌であることがわかる. また,...

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Published in胆道 Vol. 22; no. 1; pp. 113 - 115
Main Authors 須山, 正文, 窪川, 良広, 崔, 仁煥, 松村, 祐二, 近森, 正康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2008
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Summary:「症例」60歳代の女性. 検診の超音波検査で胆嚢隆起性病変を指摘された. 血液生化学検査, 腫瘍マーカーに異常は認めなかった. 図1に超音波像, 図2に造影超音波像を示した. 胆嚢体部背側に約15mmの広基性の隆起性病変がみられる. 胆嚢壁の最外層の高エコー層は保たれているようにみえる(図1). また, 病変は全体に比較的均一な低エコーで隆起表面に凸凹がみられる. 図2はレボビストを用いた造影エコーである. 腫瘤は早期からよく染まっているが, 漿膜側に造影されない部分がみられる. 図3の超音波内視鏡像で胆嚢壁最外層の高エコーは断裂しているため, ss以上に進行した癌であることがわかる. また, 主腫瘍に連続して壁肥厚部分(図4)がみられ, 腫瘍面は広いと考えられた. 本症例は1. 超音波で肝と同等の内部エコーである 2. 表面にやや凹凸がある 3. 比較的なだらかな立ち上がりを示しているなどから典型的な隆起型胆嚢癌と診断できる. 造影エコーや超音波内視鏡の役割は癌の進行度診断になる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.22.113