EST後の再発総胆管結石症に対する腹壁吊り上げ法による腹腔鏡下胆管十二指腸側側吻合術の経験

症例は69歳の男性で総胆管結石症に対する内視鏡的乳頭切開術の既往をもち,心窩部痛と黄疸を主訴に来院した.閉塞性黄疸と胆管炎を合併した総胆管結石症の診断で経皮経肝胆嚢ドレナージ術を行った.入院19日後に腹壁吊り上げ法で腹腔鏡下胆管十二指腸側側吻合術を行った.十二指腸と総胆管の切開を超音波メスで行い,出血による吻合部の視野不良を軽減した.総胆管は約2.5 cmの縦切開を行い,十二指腸は長軸方向に切開し側側吻合した.術後経過は良好で,術後15日後に退院した.腹壁吊り上げ法はポートよりガス漏れの心配がないため鉗子の出し入れ,洗浄吸引が容易で,砕石,吻合をスムーズに行えた.EST後の再発総胆管結石症に対...

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Published inTando Vol. 23; no. 1; pp. 101 - 106
Main Authors 斉藤, 英一, 水崎, 馨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2009
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.23.101

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Summary:症例は69歳の男性で総胆管結石症に対する内視鏡的乳頭切開術の既往をもち,心窩部痛と黄疸を主訴に来院した.閉塞性黄疸と胆管炎を合併した総胆管結石症の診断で経皮経肝胆嚢ドレナージ術を行った.入院19日後に腹壁吊り上げ法で腹腔鏡下胆管十二指腸側側吻合術を行った.十二指腸と総胆管の切開を超音波メスで行い,出血による吻合部の視野不良を軽減した.総胆管は約2.5 cmの縦切開を行い,十二指腸は長軸方向に切開し側側吻合した.術後経過は良好で,術後15日後に退院した.腹壁吊り上げ法はポートよりガス漏れの心配がないため鉗子の出し入れ,洗浄吸引が容易で,砕石,吻合をスムーズに行えた.EST後の再発総胆管結石症に対する治療法として,腹壁吊り上げ法による腹腔鏡下胆管十二指腸側側吻合術は一つの選択肢と考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.23.101