特定保健指導におけるフォローアップ検査の効果についての検討

目的:当施設では特定保健指導の積極的支援参加者に対し,食習慣・運動習慣の改善を図るためにフォローアップ検査を行っている.特定保健指導を受け,フォローアップ検査を実施した場合としなかった場合の検査データを比較し,その有効性を検討する.対象および方法:当施設で人間ドック,健康診断等を受けた積極的支援参加者のうち,翌年の健診データが得られた92人を対象とした.フォローアップ検査を実施した対象者を検査あり群,実施しなかった対象者を検査群とし,検査あり群におけるフォローアップ検査時との比較と,両群における翌年の健診データの変化・メタボリックシンドローム(MetS)減少率を比較した.結果:検査あり群におい...

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Published in人間ドック Vol. 33; no. 1; pp. 55 - 61
Main Authors 小林, 未来, 松山, 薫, 杉田, 智子, 佐橋, 徹, 中野, 求, 森下, 知代, 塩村, 惟彦, 遠山, 和成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2018
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.33.55

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Summary:目的:当施設では特定保健指導の積極的支援参加者に対し,食習慣・運動習慣の改善を図るためにフォローアップ検査を行っている.特定保健指導を受け,フォローアップ検査を実施した場合としなかった場合の検査データを比較し,その有効性を検討する.対象および方法:当施設で人間ドック,健康診断等を受けた積極的支援参加者のうち,翌年の健診データが得られた92人を対象とした.フォローアップ検査を実施した対象者を検査あり群,実施しなかった対象者を検査群とし,検査あり群におけるフォローアップ検査時との比較と,両群における翌年の健診データの変化・メタボリックシンドローム(MetS)減少率を比較した.結果:検査あり群において,フォローアップ検査時で腹囲,体重,BMIが減少し,中性脂肪,HDLコレステロール,空腹時血糖の改善がみられた.さらに,翌年の健診時においても体重の減少効果が持続し,中性脂肪,HDLコレステロールに対する効果の継続がみられ,MetS該当者減少率は33.3%であった.対して,検査群では有意な変化はみられなかった.結論:フォローアップ検査を実施した積極的支援参加者は,腹囲,体重が減少し,臨床検査値が改善した.特定保健指導におけるフォローアップ検査は対象者の意欲を高め,指導効果の向上に有効な手段である可能性が示唆された.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.33.55