市販鶏肉のサルモネラ汚染調査とSalmonella InfantisのPFGE法による解析

県内の市販鶏肉におけるサルモネラの汚染状況を調査したところ, サルモネラの検出率は鶏肉19.6% (22/112), レバー17.9% (10/56) であり, 分離菌の血清型はS.Infantisが全分離株の87.5%を占め, 鶏肉およびレバーにおいて, 本血清型はそれぞれ81.8% (18/22) および100% (10/10) を占めた.一方, サルモネラの汚染菌数 (MPN値) は, 鶏肉で陽性検体の63.6% (14/22) が30cfu未満であった.また, 分離したサルモネラの78.1% (25/32) は, 3剤以上の多剤耐性を示した. 分離したS.Infantisについて, 同...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 123 - 127
Main Authors 小野, 一晃, 増谷, 寿彦, 柳川, 敬子, 辻, りえ, 倉園, 貴至, 藤原, 由紀子, 安藤, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 2003
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ISSN1340-8267
1882-5982
DOI10.5803/jsfm.20.123

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Summary:県内の市販鶏肉におけるサルモネラの汚染状況を調査したところ, サルモネラの検出率は鶏肉19.6% (22/112), レバー17.9% (10/56) であり, 分離菌の血清型はS.Infantisが全分離株の87.5%を占め, 鶏肉およびレバーにおいて, 本血清型はそれぞれ81.8% (18/22) および100% (10/10) を占めた.一方, サルモネラの汚染菌数 (MPN値) は, 鶏肉で陽性検体の63.6% (14/22) が30cfu未満であった.また, 分離したサルモネラの78.1% (25/32) は, 3剤以上の多剤耐性を示した. 分離したS.Infantisについて, 同じ店舗および製造日由来の菌株では, PFGEパターンおよび薬剤感受性が一致するものが過半数を占めた.しかし, 同じ店舗由来で製造日が異なるにもかかわらずPFGEパターンが一致する菌株, また, 全く店舗が異なるにもかかわらず, PFGEパターンが一致する菌株もかなり認められ, S.Infantisによる汚染と拡散の可能性が推察された.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.20.123