局所神経脱落症状を伴わないめまいで発症した椎骨動脈解離による小脳梗塞の 1 例

既往のない 41 歳女性。来院 5 日前から持続する右後頸部痛とふらつきを自覚した。来院日,排便後の起立時に意識消失し,意識回復後もめまいによる体動困難があり当院に救急搬送された。傾眠傾向はあるがその他バイタルは安定しており,神経脱落所見を含めた身体所見に異常を認めなかった。頭部CTでは異常所見を認めず追加で頭部MRIを行った。DWIで右小脳伷塞を認めた。加えてT1 強調画像で椎骨動脈の壁内血腫を認めたことや,BPAS(basi-parallel anatomical scanning)で右椎骨動脈が描出された一方,MRAで右椎骨動脈が描出されなかったことから右椎骨動脈解離に伴う小脳伷塞と診断...

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Published inJAPANESE JOURNAL OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE Vol. 18; no. 1; pp. 42 - 47
Main Authors 相原, 啓二, 二瓶, 俊一, 宮川, 亮, 蒲池, 正幸, 金澤, 綾子, 矢野, あゆみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病院総合診療医学会 31.01.2022
JAPAN SOCIETY OF HOSPITAL GENERAL MEDICINE
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ISSN2185-8136
2758-7878
DOI10.60227/jhgmwabun.18.1_42

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Summary:既往のない 41 歳女性。来院 5 日前から持続する右後頸部痛とふらつきを自覚した。来院日,排便後の起立時に意識消失し,意識回復後もめまいによる体動困難があり当院に救急搬送された。傾眠傾向はあるがその他バイタルは安定しており,神経脱落所見を含めた身体所見に異常を認めなかった。頭部CTでは異常所見を認めず追加で頭部MRIを行った。DWIで右小脳伷塞を認めた。加えてT1 強調画像で椎骨動脈の壁内血腫を認めたことや,BPAS(basi-parallel anatomical scanning)で右椎骨動脈が描出された一方,MRAで右椎骨動脈が描出されなかったことから右椎骨動脈解離に伴う小脳伷塞と診断した。めまいの多くは末梢性だが,本症例のように後頸部痛や傾眠傾向があるなど末梢性めまいとして一元的に説明できない所見があれば,椎骨動脈解離を含む中枢性めまいを考慮してBPASを含む頭部MRI撮像する必要がある。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.18.1_42