未熟児無呼吸発作に対し投与されたテオフィリン血中濃度の変動:母集団薬物動態解析による製剤間変動の検討

「緒言」未熟児無呼吸発作は, 20秒を超える呼吸停止あるいは呼吸停止が20秒未満であっても, 徐脈や明らかなチアノーゼを伴うものと定義されている. 1)その原因としては, 呼吸中枢の未熟性や, 呼吸機能調節の未熟性による低酸素血症が呼吸中枢を抑制することなどが考えられており, 在胎週数34週未満の児に多く認められ, 2500g未満の低出生体重児の25%, 1000g未満の超低出生体重児の84%に認められると言われている. 2)治療は, まず体温の調節, 酸素療法, 物理的刺激などが行われ, これらの処置で無呼吸発作の頻度や程度が改善されない場合に, 薬物療法, 経鼻持続的気道内陽圧呼吸療法,...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 128; no. 4; pp. 635 - 640
Main Authors 土綿, 慎一, 須田, 恭代, 中村, 知夫, 石川, 洋一, 伊藤, 裕司, 緒方, 宏泰, 櫛田, 賢次, 齋藤, 誠, 花田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.04.2008
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.128.635

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Summary:「緒言」未熟児無呼吸発作は, 20秒を超える呼吸停止あるいは呼吸停止が20秒未満であっても, 徐脈や明らかなチアノーゼを伴うものと定義されている. 1)その原因としては, 呼吸中枢の未熟性や, 呼吸機能調節の未熟性による低酸素血症が呼吸中枢を抑制することなどが考えられており, 在胎週数34週未満の児に多く認められ, 2500g未満の低出生体重児の25%, 1000g未満の超低出生体重児の84%に認められると言われている. 2)治療は, まず体温の調節, 酸素療法, 物理的刺激などが行われ, これらの処置で無呼吸発作の頻度や程度が改善されない場合に, 薬物療法, 経鼻持続的気道内陽圧呼吸療法, 人工換気療法などが行われる. 3)薬物治療としては, 1973年にKuzemkoとPaalaらが未熟児無呼吸発作に対するアミノフィリンの有用性を報告4)して以来, テオフィリンが第1選択薬として用いられることが多い. 現在欧米では, テオフィリンよりもカフェインを治療薬として使用している.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.128.635