プロカインアミドの体内動態に関する臨床薬理学的研究

Procainamide (PA)及び代謝産物N-acetyl procainamide(NAPA)は, 血中濃度と抗不整脈効果との間に密接な関係のあることが知られている. 今回我々は, (1)健康人においてPA投与後, PAおよびNAPAの血清濃度と唾液中濃度との相関, (2)心室性期外収縮(PVC)を有する患者についてPA血清濃度と抗不整脈効果との関係について検討した. 健康人には, PA錠を500mg経口投与し, 経時的に血液及び唾液を採取し, 患者については, 心電図を記録しながらPA注射液を静脈内投与し経時的に採血を行い, PA及びNAPAを蛍光法を用いて測定した. (1)血清濃度と...

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Published in医療 Vol. 37; no. 4; pp. 359 - 363
Main Authors 内山, 芳朗, 栄井, 清, 三橋, 修, 松本, 明久, 丸尾, 泰則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1983
医療同好会
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Summary:Procainamide (PA)及び代謝産物N-acetyl procainamide(NAPA)は, 血中濃度と抗不整脈効果との間に密接な関係のあることが知られている. 今回我々は, (1)健康人においてPA投与後, PAおよびNAPAの血清濃度と唾液中濃度との相関, (2)心室性期外収縮(PVC)を有する患者についてPA血清濃度と抗不整脈効果との関係について検討した. 健康人には, PA錠を500mg経口投与し, 経時的に血液及び唾液を採取し, 患者については, 心電図を記録しながらPA注射液を静脈内投与し経時的に採血を行い, PA及びNAPAを蛍光法を用いて測定した. (1)血清濃度と唾液中濃度比は, 唾液中濃度の方がPA,NAPAともに血清濃度より約2倍の高値を示した. PA及びNAPAの血清濃度は唾液中濃度と有意の正相関を示した. (2)PVCの%減少率と血清PA濃度との間に有意な相関関係が認められた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.37.359