胆管空腸側端吻合術後の再発結石に対する電子経口胆道鏡下砕石後に急性胆管炎を認めた1例

要旨:症例は79歳,男性.上腹部痛を主訴に当科を受診.MRCP・腹部CTにて総胆管結石が疑われ治療を目的に入院となった.ERCPで胆管内に大きな透亮像を認め,中部胆管付近より右側の胆管外に造影剤が流出する像を認めた.機械式砕石具にての結石把持を試みたが不成功に終わり,後日電子経口胆道鏡下に電気水圧衝撃波を施行した.砕石後の観察では中部胆管付近に吻合部様の管腔を認め,造影では瘻孔部から小腸への造影剤流出が認められた.一方,切石直後から,腹痛・発熱が出現,緊急血液検査にて炎症反応を呈し,瘻孔からの逆行性感染による胆管炎が疑われた.直ちに内視鏡的経鼻胆管ドレナージを施行するも改善認められず,敗血症シ...

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Published inTando Vol. 24; no. 4; pp. 611 - 616
Main Authors 祖父尼, 淳, 竹内, 眞美, 糸井, 隆夫, 小澤, 隆, 斉藤, 準, 辻, 修二郎, 土屋, 貴愛, 糸川, 文英, 栗原, 俊夫, 石井, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2010
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.24.611

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Summary:要旨:症例は79歳,男性.上腹部痛を主訴に当科を受診.MRCP・腹部CTにて総胆管結石が疑われ治療を目的に入院となった.ERCPで胆管内に大きな透亮像を認め,中部胆管付近より右側の胆管外に造影剤が流出する像を認めた.機械式砕石具にての結石把持を試みたが不成功に終わり,後日電子経口胆道鏡下に電気水圧衝撃波を施行した.砕石後の観察では中部胆管付近に吻合部様の管腔を認め,造影では瘻孔部から小腸への造影剤流出が認められた.一方,切石直後から,腹痛・発熱が出現,緊急血液検査にて炎症反応を呈し,瘻孔からの逆行性感染による胆管炎が疑われた.直ちに内視鏡的経鼻胆管ドレナージを施行するも改善認められず,敗血症ショックも示したため開腹手術を施行した.術中所見にて胆管空腸側端吻合であることが明らかとなり,総胆管を残し挙上腸管切除のみを行った.術後経過は良好で,4年たった現在も合併症・結石の再発などは認められていない.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.24.611