胆道癌に対する膵頭十二指腸切除術に合併した膵液瘻に関する検討

• Published in: 胆道 Vol. 24; no. 4; pp. 549 - 553
• Main Authors: 藤井, 義郎, 南, 史朗, 土屋, 和代, 金丸, 幹郎, 末田, 秀人, 池, 秀之, 千々岩, 一男
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本胆道学会 2010
• Subjects: 胆道癌; 膵液瘻; 膵頭十二指腸切除術
• ISSN: 0914-0077; 1883-6879
• DOI: 10.11210/tando.24.549

要旨：目的：胆道癌に対して施行した膵頭十二指腸切除術を膵癌症例と比較し，ドレーン抜去可能な時期について検討した． 方法：膵頭十二指腸切除術を施行した31例を対象とし，胆道癌13例と通常型膵癌18例に分類し臨床的諸因子を比較検討した．また胆道癌症例を対象とし，膵液瘻の有無別に，ドレーン排液中アミラーゼ値（術後1，4，7日目）を比較した．膵液瘻の診断は，臨床症状，検査所見で総合的に判断した． 結果：胆道癌では有意に正常膵が多かったが，膵液瘻の合併率には有意差を認めなかった．胆道癌症例で膵液瘻の有無別の比較では，術後7日目ドレーン排液中アミラーゼ高値（13616/52IU/L，p =0.015）のみが有意差のある因子で，1，4日目は有意差を認めなかった． 結論：術後7日目のドレーン排液中アミラーゼ値が4日目より低下する場合，膵液瘻の危険は少なく7日目に安全にドレーンを抜去できると考えられた．