進行胆嚢癌に対するゲムシタビン全身化学療法と温熱・化学・放射線療法 (三者併用療法) の治療成績の比較

当院では, 1989年より進行胆嚢癌に対し温熱・化学・放射線の三者併用療法 (TCRT) を行い, 非治癒切除術と同等な生存期間の延長を得ている. 2002年以降は, ゲムシタビン (GEM) による全身化学療法も行ってきた. 今回, 2006年までの切除不能Stage IV胆嚢癌のうち, GEMによる全身化学療法を行った14例 (G群), TCRTを施行した29例 (T群), GEM以外の抗癌剤による全身化学療法を行った30例 (NG群) を比較検討した. 各群とも, Stage IVbが大半を占めた. 生存率曲線では, G, T群はNG群と比べて有意に良好であったが, GとT群間では差は認...

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Published inTando Vol. 22; no. 1; pp. 64 - 70
Main Authors 神澤, 輝実, 鶴田, 耕二, 屠, 聿揚, 岡本, 篤武, 江川, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2008
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.22.64

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Summary:当院では, 1989年より進行胆嚢癌に対し温熱・化学・放射線の三者併用療法 (TCRT) を行い, 非治癒切除術と同等な生存期間の延長を得ている. 2002年以降は, ゲムシタビン (GEM) による全身化学療法も行ってきた. 今回, 2006年までの切除不能Stage IV胆嚢癌のうち, GEMによる全身化学療法を行った14例 (G群), TCRTを施行した29例 (T群), GEM以外の抗癌剤による全身化学療法を行った30例 (NG群) を比較検討した. 各群とも, Stage IVbが大半を占めた. 生存率曲線では, G, T群はNG群と比べて有意に良好であったが, GとT群間では差は認められなかった. TCRTは, 短期局所制御療法であり, 肝十二指腸間膜浸潤が問題となる局所進行癌がよい適応であり, 同療法後にGEMを投与する治療法も検討の余地があると思われる. 一方, Stage IVbについては, 外来治療が可能なGEMの利便性が高いと考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.22.64