胆管癌根治切除後の胆管切離断端に遺残した上皮内癌における早期DNA損傷修復応答と局所再発との関連
要旨:胆管切離断端に遺残した上皮内癌におけるp53-binding protein 1(53BP1)を介した早期DNA損傷修復応答を解明し,局所再発との関連を検討した.肝外胆管癌にて根治切除された84例中,胆管切離断端が上皮内癌陽性であった11例を対象とした.蛍光免疫組織染色を行い共焦点レーザー走査顕微鏡にて53BP1の核内発現様式を検討した結果,びまん性集積が7例,ドット状集積が4例であった.アポトーシス標識率は,ドット状集積が中央値22%に対し,びまん性集積では1%と有意に低かった(p=0.003).53BP1核内ドット状集積は,γH2AXにより検出されるDNA損傷部に共局在していたことか...
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Published in | 胆道 Vol. 24; no. 5; pp. 667 - 674 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2010
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Subjects | |
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Summary: | 要旨:胆管切離断端に遺残した上皮内癌におけるp53-binding protein 1(53BP1)を介した早期DNA損傷修復応答を解明し,局所再発との関連を検討した.肝外胆管癌にて根治切除された84例中,胆管切離断端が上皮内癌陽性であった11例を対象とした.蛍光免疫組織染色を行い共焦点レーザー走査顕微鏡にて53BP1の核内発現様式を検討した結果,びまん性集積が7例,ドット状集積が4例であった.アポトーシス標識率は,ドット状集積が中央値22%に対し,びまん性集積では1%と有意に低かった(p=0.003).53BP1核内ドット状集積は,γH2AXにより検出されるDNA損傷部に共局在していたことから,53BP1活性化を介した早期DNA損傷修復応答によりアポトーシスが誘導されたと考えられた.53BP1びまん性集積例の累積5年局所再発率は60%であり,ドット状集積例の0%と比較して有意に局所再発率が高かった(p=0.019).胆管切離断端に遺残した上皮内癌の局所再発には,早期DNA損傷修復仲介因子53BP1の不活化およびアポトーシス減少と関連がある. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.24.667 |