著明な胆管拡張を呈した下部胆管原発粘液癌の1例
症例は83歳の女性で平成14年9月より多発性肝嚢胞として近医で経過観察中, 黄疸と肝機能障害を指摘され当院紹介となった. 腹部超音波検査では, 胆管は肝内胆管から総胆管まで著明に拡張し, 総胆管内に不整形の腫瘤を認めた. 腹部造影CTでは肝内胆管及び総胆管の著明な拡張と下部胆管に僅かに造影効果を認める腫瘤像を認めた. ERCPでは下部胆管に陰影欠損を認め, EUSでは総胆管内に粘液と思われる陰影も認めた. 当初は手術を拒否されたため, 胆管ドレナージで経過観察していたが, 胆管炎による発熱が続くため平成15年3月幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除標本では下部胆管に3.0×3.0×1...
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Published in | 胆道 Vol. 22; no. 1; pp. 99 - 104 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
2008
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Subjects | |
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Summary: | 症例は83歳の女性で平成14年9月より多発性肝嚢胞として近医で経過観察中, 黄疸と肝機能障害を指摘され当院紹介となった. 腹部超音波検査では, 胆管は肝内胆管から総胆管まで著明に拡張し, 総胆管内に不整形の腫瘤を認めた. 腹部造影CTでは肝内胆管及び総胆管の著明な拡張と下部胆管に僅かに造影効果を認める腫瘤像を認めた. ERCPでは下部胆管に陰影欠損を認め, EUSでは総胆管内に粘液と思われる陰影も認めた. 当初は手術を拒否されたため, 胆管ドレナージで経過観察していたが, 胆管炎による発熱が続くため平成15年3月幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除標本では下部胆管に3.0×3.0×1.7cmの隆起性病変を認め, 病理組織学的には粘液湖の中に癌細胞が浮遊する低分化型粘液癌の所見であった. 本例は術中胆管切開時に粘液塊も認め, 粘液産生胆管癌の特徴も有する症例であった. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.22.99 |