総頚動脈近位部瘤に対してステント併用コイル塞栓術を施行した1例

【目的】総頚動脈瘤は脳卒中や拍動性腫瘤で発症し,近年は血管内治療が行われることが多いが,確立した治療はない.大動脈弓に近接する総頚動脈瘤に対して,ガイディングカテーテルやマイクロカテーテルを安定させるための工夫をして,ステント併用コイル塞栓術で治療した1例を経験したので報告する.【症例】74歳女性.最大19 mmの左総頚動脈瘤に対して,stent併用コイル塞栓術を施行した.動脈瘤は左総頚動脈近位部で,大動脈からの分岐角が急峻で,近位の屈曲を伴っていた.8F EBUカテーテルを左総頚動脈起始部に留置し,6Fカテーテルも併用してカテーテル安定を図った.Carotid Guardwire PSのバル...

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Published in脳血管内治療 Vol. 7; no. 3; pp. 144 - 150
Main Authors 岡田, 芳和, 劉, 美憬, 佐藤, 慎祐, 望月, 達城, 石塚, 健太郎, 島, 彰吾, 井上, 龍也, 田中, 優貴子, 新見, 康成, 久司, 一貴, 石川, 友美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2022
日本脳神経血管内治療学会
Subjects
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ISSN2423-9119
2424-1709
DOI10.20626/nkc.cr.2022-0018

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Summary:【目的】総頚動脈瘤は脳卒中や拍動性腫瘤で発症し,近年は血管内治療が行われることが多いが,確立した治療はない.大動脈弓に近接する総頚動脈瘤に対して,ガイディングカテーテルやマイクロカテーテルを安定させるための工夫をして,ステント併用コイル塞栓術で治療した1例を経験したので報告する.【症例】74歳女性.最大19 mmの左総頚動脈瘤に対して,stent併用コイル塞栓術を施行した.動脈瘤は左総頚動脈近位部で,大動脈からの分岐角が急峻で,近位の屈曲を伴っていた.8F EBUカテーテルを左総頚動脈起始部に留置し,6Fカテーテルも併用してカテーテル安定を図った.Carotid Guardwire PSのバルーンを外頚動脈で拡張させ,anchoringした状態で,動脈瘤内に5F Envoyを一時的に留置し,マイクロカテーテルを誘導した.頚動脈用自己拡張型ステントを部分展開し,Semi-jailing techniqueでコイル塞栓術を施行した.【結論】総頚動脈近位部瘤に対して,stent併用コイル塞栓術を行った.同部位の動脈瘤に安全に治療を行うためには,カテーテルサポートの工夫が必要であった.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.cr.2022-0018