聖マリアンナ医科大学皮膚科における過去11年間の基底細胞癌の統計的検討

2005年1月から2015年12月までの11年間に聖マリアンナ医科大学皮膚科で病理組織学的に基底細胞癌(basal cell carcinoma: BCC)と診断した214例,223病変について統計的検討をした。男性100例,女性114例で男女差はみられなかった。部位別では,顔面が143例(64.1%)と最多で特に顔面の中心部に集中してみられていた。病理組織学的分類の検討では,nodular typeが最多であった。腫瘍径の検討をしたところ,20 mm以内が全体の187例で70%を占めた。また,男性の方が腫瘍径は有意に大きかった。症状を自覚してから初診までの期間を検討したところ,女性において腫...

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Published in聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 203 - 211
Main Authors 松岡, 摩耶, 門野, 岳史, 松浦, 佳奈, 北澤, 智子, 川上, 民裕, 相馬, 良直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会 2017
聖マリアンナ医科大学医学会
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Summary:2005年1月から2015年12月までの11年間に聖マリアンナ医科大学皮膚科で病理組織学的に基底細胞癌(basal cell carcinoma: BCC)と診断した214例,223病変について統計的検討をした。男性100例,女性114例で男女差はみられなかった。部位別では,顔面が143例(64.1%)と最多で特に顔面の中心部に集中してみられていた。病理組織学的分類の検討では,nodular typeが最多であった。腫瘍径の検討をしたところ,20 mm以内が全体の187例で70%を占めた。また,男性の方が腫瘍径は有意に大きかった。症状を自覚してから初診までの期間を検討したところ,女性において腫瘍径が小さい段階で,短期間のうちに受診する傾向がみられた。手術治療が原則であるため,小型の段階での受診率が増加するように啓蒙する必要があると考える。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.44.203