人間ドックにおける胃内視鏡検査の評価

目的:有効性の証明された胃がんX線検診との比較を行うことで,内視鏡検診の評価を試みた. 方法:1995年度に住民検診(対策型検診)として間接X線による胃集団検診を受けた受診者36,876名と,1993年から1999年までに人間ドック(任意型検診)として内視鏡検診を受けた受診者8,807名を比較した. 成績:X線検診での胃がん発見率0.14%,早期胃がん率68.6%,5年生存率78.4%より,内視鏡検診の胃がん発見率0.34%,早期胃がん率93.9%,5年生存率97.0%が優っていた.検診で胃がんと診断されなかった受診者をわが国で最も届け出精度の高い福井県がん登録と照合した.検診から5年間に胃が...

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Published in人間ドック Vol. 24; no. 4; pp. 896 - 900
Main Authors 辰巳, 靖, 真田, 治人, 細川, 治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2009
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.24.896

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Summary:目的:有効性の証明された胃がんX線検診との比較を行うことで,内視鏡検診の評価を試みた. 方法:1995年度に住民検診(対策型検診)として間接X線による胃集団検診を受けた受診者36,876名と,1993年から1999年までに人間ドック(任意型検診)として内視鏡検診を受けた受診者8,807名を比較した. 成績:X線検診での胃がん発見率0.14%,早期胃がん率68.6%,5年生存率78.4%より,内視鏡検診の胃がん発見率0.34%,早期胃がん率93.9%,5年生存率97.0%が優っていた.検診で胃がんと診断されなかった受診者をわが国で最も届け出精度の高い福井県がん登録と照合した.検診から5年間に胃がん死亡した患者は内視鏡検診で2例,X線検診では41例であった.X線に比較しての内視鏡の胃がん死亡相対危険度は0.2042であり,統計学的に有意であった. 結論:間接X線住民検診と比較して,人間ドックの内視鏡検診は80%胃がん死亡を減少させることが示唆された.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.24.896