ステレオガイド下マンモトーム生検における標本撮影補助具の有効性の検討

施設に一台しかない乳房撮影装置を用いてup-right方式のステレオガイド下マンモトーム生検を行う場合,採取した標本の確認を生検中に行うことができない。そのため,生検中に乳房撮影装置を利用して標本撮影を行う方法について検討し,標本撮影補助具を作成した。この補助具は,乳房撮影装置の放射口と乳房の隙間を利用するもので,ハンドメイドの鉛ツーブス(筒状の構造)により漏洩X線を遮蔽する構造となっている。そして,この補助具を用いて行った標本撮影は,検査終了後に撮影している軟X線拡大撮影とほぼ同等の結果が得られた。そこで,この補助具の作成方法,標本撮影時に使用するFCR読取装置,補助具使用時の漏洩X 線から...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 179 - 184
Main Author 江成, 一二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 20.06.2012
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Summary:施設に一台しかない乳房撮影装置を用いてup-right方式のステレオガイド下マンモトーム生検を行う場合,採取した標本の確認を生検中に行うことができない。そのため,生検中に乳房撮影装置を利用して標本撮影を行う方法について検討し,標本撮影補助具を作成した。この補助具は,乳房撮影装置の放射口と乳房の隙間を利用するもので,ハンドメイドの鉛ツーブス(筒状の構造)により漏洩X線を遮蔽する構造となっている。そして,この補助具を用いて行った標本撮影は,検査終了後に撮影している軟X線拡大撮影とほぼ同等の結果が得られた。そこで,この補助具の作成方法,標本撮影時に使用するFCR読取装置,補助具使用時の漏洩X 線からこの補助具の有効性について検討した。その結果,石灰化の有無を確認することが目的となる標本撮影では,使用するFCR読取装置は一般撮影用でも対応が可能であった。補助具は,既存の環境を活用することでコストを抑えた生検中の標本の軟X線撮影を可能とし,また漏洩X線を遮蔽することから標本撮影に伴い受診者が受ける被曝がないと考えられた。以上より,今回の検討と同様のシステム構成で生検を行っている施設では,補助具が有効な標本確認手段になることが示唆された。しかし,補助具の着脱は受診者の顔の高さでの操作のため,その使用は受診者の受けるメリットが大きいと判断できる場合に限定する必要がある。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.21.179