トガリネズミの哺乳類学:分かっていないなら自分で調べよう

「はじめに」日本哺乳類学会100周年記念という節目の年に, 学会賞をいただきとても光栄である. 受賞の連絡をもらった時, 驚愕とともに心より嬉しく感じた. と同時にいままでの受賞者と比較すると本当に私で良かったのであろうかというと不安も交錯した. しかし, 私のような凡庸な研究者でも長く研究活動を続けていれば評価されることもあるので, 若手研究者にとっては「彼がもらえたのなら私ももらえる」という励みになると思う. 2008年に学会賞が日本哺乳類学会に設置されてから, 今回で16回目の授与であり合計17名が受賞者となっている. そのうち8名は北海道大学を卒業 (修了) した, ないし北大で教員を...

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Published in哺乳類科学 Vol. 64; no. 1; pp. 119 - 135
Main Author 大舘, 智志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 2024
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Summary:「はじめに」日本哺乳類学会100周年記念という節目の年に, 学会賞をいただきとても光栄である. 受賞の連絡をもらった時, 驚愕とともに心より嬉しく感じた. と同時にいままでの受賞者と比較すると本当に私で良かったのであろうかというと不安も交錯した. しかし, 私のような凡庸な研究者でも長く研究活動を続けていれば評価されることもあるので, 若手研究者にとっては「彼がもらえたのなら私ももらえる」という励みになると思う. 2008年に学会賞が日本哺乳類学会に設置されてから, 今回で16回目の授与であり合計17名が受賞者となっている. そのうち8名は北海道大学を卒業 (修了) した, ないし北大で教員を勤めていた人である. 学閥を誇るという意味ではなく客観的事実として, 北大は日本の哺乳類学の一大拠点として機能していたことは間違いない. さらに仔細に至るが, 第2回受賞者の阿部永さんは北大農学部応用動物学教室においての私の指導教官で, 第11回受賞者の齊藤隆さん (現北大名誉教授) は在籍時の先輩であった.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.64.119