EUS-B-FNAが上皮型悪性胸膜中皮腫の診断に有用であった1例
背景.超音波気管支鏡下経食道的針生検(endoscopic ultrasound with bronchoscope-guided fine-needle aspiration:EUS-B-FNA)は,食道に接する胸腔内および縦隔病変の診断に有用であることが報告されている.症例.70歳男性.発熱と咳嗽を訴え,胸部CTで右胸腔内に最大径50 mm大の多発する胸膜腫瘤影を指摘された.FDG-PETでは腫瘤にFDG異常集積を認め,肺癌胸膜播種や悪性胸膜中皮腫などが疑われた.腫瘤が気道に接しておらず,食道に接していたため,通常の気管支鏡では診断が困難と考え,超音波気管支鏡を用いて経食道的に腫瘤を生検し...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 38; no. 4; pp. 278 - 284 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2016
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.38.4_278 |
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Summary: | 背景.超音波気管支鏡下経食道的針生検(endoscopic ultrasound with bronchoscope-guided fine-needle aspiration:EUS-B-FNA)は,食道に接する胸腔内および縦隔病変の診断に有用であることが報告されている.症例.70歳男性.発熱と咳嗽を訴え,胸部CTで右胸腔内に最大径50 mm大の多発する胸膜腫瘤影を指摘された.FDG-PETでは腫瘤にFDG異常集積を認め,肺癌胸膜播種や悪性胸膜中皮腫などが疑われた.腫瘤が気道に接しておらず,食道に接していたため,通常の気管支鏡では診断が困難と考え,超音波気管支鏡を用いて経食道的に腫瘤を生検した.組織学的には好酸性の胞体を有する上皮性異型細胞集塊を認め,免疫組織学的にcalretinin,WT-1陽性,CEA,Ber-EP4陰性であった.胸腔鏡下生検で脂肪層を含めた壁側胸膜全層検体による腫瘍の再評価を行い,上皮型悪性胸膜中皮腫と診断した.結論.EUS-B-FNAにて上皮型悪性胸膜中皮腫の病理診断に十分な腫瘍組織の採取が可能であった.食道に近接する上皮型悪性胸膜中皮腫の診断にEUS-B-FNAは有用である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.38.4_278 |