水気胸を契機に胸腔鏡において悪性胸膜中皮腫と診断した2例

背景.水気胸を契機に悪性胸膜中皮腫と診断に至った2症例を経験した.症例.①74歳男性.アスベスト曝露歴あり.200X年7月呼吸困難・咳嗽が出現し左水気胸を認めた.胸腔鏡検査では臓側胸膜全体に隆起性腫瘤が多発し1か所から気漏が生じていた.病理診断は二相型悪性胸膜中皮腫,IMIG病期分類T4N2M0,Stage IVとなった.化学療法後200X+1年4月に永眠された.②83歳男性,アスベスト曝露歴あり.201X年12月水気胸に対して胸腔鏡下左肺囊胞切除術を施行した.胸壁・横隔膜にプラークを認め臓側胸膜は一部肥厚していた.病理診断は上皮型悪性胸膜中皮腫,IMIG病期分類T2N0M0 Stage II...

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Published in気管支学 Vol. 40; no. 2; pp. 154 - 157
Main Authors 杉浦, 八十生, 藤本, 博行, 橋詰, 寿律, 根本, 悦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2018
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:背景.水気胸を契機に悪性胸膜中皮腫と診断に至った2症例を経験した.症例.①74歳男性.アスベスト曝露歴あり.200X年7月呼吸困難・咳嗽が出現し左水気胸を認めた.胸腔鏡検査では臓側胸膜全体に隆起性腫瘤が多発し1か所から気漏が生じていた.病理診断は二相型悪性胸膜中皮腫,IMIG病期分類T4N2M0,Stage IVとなった.化学療法後200X+1年4月に永眠された.②83歳男性,アスベスト曝露歴あり.201X年12月水気胸に対して胸腔鏡下左肺囊胞切除術を施行した.胸壁・横隔膜にプラークを認め臓側胸膜は一部肥厚していた.病理診断は上皮型悪性胸膜中皮腫,IMIG病期分類T2N0M0 Stage IIであった.高齢のため加療せず経過観察中である.結論.胸水貯留は悪性胸膜中皮腫で高頻度に認める.稀だが水気胸を認めた場合もアスベスト曝露歴や悪性胸膜中皮腫を想起する必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.2_154